おひさしぶりです。港区オモプラッタです。
みなさん、突然ですがボトムの展開は得意ですか?
「ボトムになった途端、何をしていいのか分からない」
「一瞬でパスされて残りの時間はブリッジするだけで終わってしまう」
そんな悩みはありませんか?私は今まで何度もガードを強くしたいと思いながらも、具体的な対策を持てていませんでした。とにかく打ち込み回数を増やしたり、新しい技に手を出してみるということを繰り返してきました。
そんな私ですが、前々から気になっていたクレイグ・ジョーンズのDVDをBJJ Channelさんに提供して頂き、ガードを強くする道筋が見えてきました!
まず今回提供して頂いた商品はこちらです。
クレイグ・ジョーンズによる「THE Z GUARD ENCYCLOPEDIA」 ズィーガード・エンサイクロペディア(百科事典)です。
「ノーギのDVDじゃないか。ノーギをやらない自分には向かないんじゃないの?」
と思った方、安心してください。道着ありでも問題ありません。このDVDはガードに迷うすべての人におすすめです。
THE Z GUARD ENCYCLOPEDIA概要
クレイグ・ジョーンズ基本情報
ざっくりとクレイグ・ジョーンズの紹介を致します。
クレイグ・ジョーンズは2017年のADCCグラップリング世界選手権で世界に衝撃を与えました。
スーパースターの世界王者レアンドロ・ロとムリーロ・サンタナという強豪に勝利し、今後も語りつ上がれるであろうパフォーマンスを披露したのです。
(BJJ Channelより引用)
日本ではQuintetに出場して活躍したり、2019年1月には自身初となる日本でのセミナーも行い、そのまま桜庭和志とインストラクション・ムービーの撮影を行ったりしています。とにかく足関節技が上手な選手で足関節に関するDVDもたくさん出しております。
Quintetでのクレイグ・ジョーンズ:
わかりやすくバランスが絶妙な構成
ガードの練習において相手の状況を考えずに自分の好きなガードだけを練習してしまうということはありませんか?
自分の好きなガードを極めたいという気持ちは大切だと思いますが、いろいろな状況に対応できなくなってしまうこともあります。まずは大きく分けて2つの状況を想定しておきましょう。正座している相手と立っている相手です。
このDVDはZ guard(要はハーフガード)、リバースデラヒーバ(以下「RDLR」)、デラヒーバ(以下「DLR」)という3つのガードからのテクニックが収録されています。
- 正座している相手:Z guard(ハーフガード)
- 立っている相手 :RDLR、DLR
相手の2つの状況に応じてまとめて学べるという点でこのDVDは構成バランスがいいのです。バランスよく学んで穴のない柔術家を目指しましょう。
テクニックに共通する2つの視点
拘束力が高い
ここで紹介されている3つのガードすべてが、相手の動きを封じる力(拘束力)が非常に強いのです。ノーギのスピーディーな攻防のなかでも通用するように想定されている技なので信頼がおけます。
解除するのが困難なガードの1つにラッソガードがありますが、クレイグ・ジョーンズはふつうのハーフガード、RDLR、DLRにラッソガード級の拘束力を与えていると個人的に思っています。拘束力を身につけるだけでも大きな手応えを感じるでしょう。
手順が少ない
そんな拘束力の強いガードにもかかわらず、手順が少なく素早く作れるのです。ラペラガードなどのように、ラペラを取り出して、巻きつけて、逆の手に渡して、、、などの手順がありません。見かけにも非常に簡単ですので覚えやすいでしょう。そこからの攻めに関しても同様です。難しいものもありますが、必ず基本的なテクニックが収録されているので安心してください。
また、手順が少ない技というのは気軽に取り入れられるという利点もあります。自分が持っているガードのオマケぐらいの気持ちでも十分に効果が期待できるでしょう。
拘束力を高めてからの手順の少ない攻め
それでは実際にハーフガード、RDLR、DLRからのテクニックを紹介していきます。すべて拘束力を高めてから攻めに転じています。
DVD1 ハーフガード
1.Baiting opponent into Z Guard
2.Controlling the Z Guard
3.Triangle from Z Guard
4.Countering the weave pass
5.One arm guillotine
6.Omoplata
7.Over hook arm bar
すべてのDVDでガードの作り方、コントロール方法、そこからのアタックが紹介されてます。拘束力と手順の少なさという2つの視点を確認しながら見ていきましょう。最初にZガードからの三角絞めを紹介します。
それに対して左肘をベースに体を起こして、自分の腕を巻きつける。
振り返るようにして肩で肩にプレッシャーを与えると、相手はマットに手をつく。
- 拘束力:腕の巻きつけ
- 手順 :肩によるプレッシャー
脇の差し合いはハーフガードでとても大事な要素ですが、クレイグ・ジョーンズは脇の差し合いには付き合わず、相手に浅めの脇差しをさせてから自分の腕を相手の腕に巻きつけます。これによりまず高い拘束力を得ています。
これだけで相手の動きをかなり制限できます。相手が嫌がって腕を引き抜いたとしても、脇差しがなくなったのでパスはしづらくなります。つまりガード力は上がります。
そして、三角絞めに移行するために必要な主な手順は肩で肩にプレッシャーを与えるという点です。ここまでくると後の動作は容易ですし、三角絞めを知っている人ならば反射的に体が動くでしょう。拘束力を上げるにしても三角絞めに移行するにしても手順の少なさは感じられるのではないでしょうか?
DVD2 RDLR
1.Reverse De La Riva basics
2.2 standing sweeps from Reverse De La Riva
3.No gi inversion mini course
4.Standing heel hook set ups
5.Reverse De La Riva scissor heel hook
6.Reverse De La Riva to 50/50
同様にRDLRからのバックテイクを紹介します。
- 拘束力:スネを掴む
- 手順 :ヒザを胸に引き寄せる
拘束力を強くするためにスネを掴みます。これにより相手は足が自由に動かせずパスしづらくなります。しかし、顔をコントロールされるとかなりジリ貧になってしまいますので、フリーな右手で常にケアしておきましょう。
ここからヒザを胸に引き寄せればバックが狙えます。細かくいうと逆さまにならなければいけないのですが、逆さまになるにはヒザを引き寄せるのが大事なのです。なので「ヒザを胸に引き寄せてバックを狙おう」とだけ考えておけば大丈夫です。
ヒザの引き寄せ方に関しては足を振り上げていますが、状況に応じて方法が異なります。DVDではシンプルで再現性の高いものが紹介されています。これを知れただけでも個人的に大満足でしたので、ぜひ多くの人に見て欲しいテクニックです。
DVD3 DLR
1.Under hook De La Riva control
2.Basic under hook De La Riva sweep
3.Under hook De La Riva to single leg x
4.X Guard entrance
5.Reverse X heel hook and back take
6.Under hook De La Riva to berimbolo
最後にDLRからの柔術立ちを紹介します。
- 拘束力:スネを掴む、足のフック
- 手順 :体を横に向ける
DLRもRDLRと同様にスネを掴むことで拘束力を上げていきます。さらに右足をフックするのも忘れないでください。右足をフックしていないと担がれたりレッグドラッグをくらってしまいます。スネを掴むのとフックはセットです。どちらかひとつだけの時間は少なくしてください。
シングラブをした状態からは柔術立ちができます。柔術立ちをするためには体を横に向けるのが最も大切です。そのためには右足を伸ばすことで相手を押しながら体を傾けます。その後は左足を解除してマットを踏んで起き上がります。
起き上がったあとの処理もクレイグ・ジョーンズはとても細かく説明してくれています。スイープではなくヒールフックにつなげているビックリなテクニックもあるので、ヒールフック好きな人は楽しめるでしょう。柔術では使えませんが。
以上でテクニックの紹介は終わります。拘束力の強いハーフガード、RDLR、DLRで相手を止める時間ができれば、そこから自分の好きなガードに持っていくということも十分に可能です。手順の少ない技を何個か用意しておけば、それで相手の気を散らさせて本命の技も成功しやすくなることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ボトムの展開、ガードを強くするのに心がけることは下記の2つです。
- 相手の動きを封じる形を作ろう
- 手順の少ない動きを取り入れよう
拘束力の強い安心する場所を作りつつ、少ない手順でシンプルに素早くアタックしましょう。これ以上は言語で説明するには限界があります。手っ取り早く強くなりたいという方はDVDを参考にしてみてください。
研究所からは以上です。
コメント