アルティメットスパイダーガード金古先生に話を聞いてきた Part 1

こんにちは、taikiです。
今回は、スペシャルゲストをお呼びしております。この人です。

三角絞め研究所読者の皆様ならご存じの方も多いと思います。
見た目はコワモテ(?)、ホントはめちゃくちゃ良い人で有名な金古一朗先生です!

実はベリンボロマップの記事や大望選手のインタビュー記事等の三角絞め研究所ヒット作の背景には影響力の多大な金古先生のシェアがあったりします。

そんな金古先生本人自らが降臨しました。
今回は金古一朗ブレイクダウンスペシャルとしてお届けしたいと思います!

金古一朗先生の基本情報

名前:金古 一朗(かねこ いちろう)

生年月日:1975年2月24日
体重:ライトフェザー級
所属:シュラプネル柔術 代表
SNS:FacebookTwitterInstagram質問箱

主な戦績:
黒帯
2010、2012、2013、2014 全日本王者
2012 アジア王者
2014 ムンジアルベスト8
2016 ワールドマスター王者

レジェンド金古先生にまつわる逸話

  • 29歳から柔術をはじめて5年で黒帯を取得
  • シュラプネル柔術オープン前はギター講師として生計を立てていた
  • 現役時代は週に12回のスパーリングをしていた
  • 柔術の教則DVDマニアで100本以上は見て実践してきた
  • スパイダーガードで熊とライオンをとめることが出来るらしい(噂)

噂を含めてどこを切り出して話せば良いのか迷ってしまうぐらいの逸話がたくさんあります。そんな金古先生の話を聞いてみましょう。

金古先生インタビュー

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taiki

金古先生、こんにちは。
 
三角絞め研究所では、金古先生の動画やDVDを取り上げて紹介することが多々ありました。今回は金古先生を直接お招きし、金古先生の柔術のルーツから色帯時代に考えていたことを聞きながら、金古先生の核心に迫りたいと思います。
 
本日は、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

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金古先生

実は打撃もやっていた!?白帯時代

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taiki

金古先生は、29歳から柔術をはじめて5年強で黒帯を取得したという話はとても有名ですが、そもそもどんなキッカケで柔術をはじめたのですか?

もともとはプロレスファンです。
 
2000年前後のプロレスが衰退し、PRIDEとK-1が勢いを増していた時代に総合格闘技を興味を持ちました。その時に総合格闘技の道場に行ったのがキッカケです。2003年の5月頃ですね。
 
最初は一般会員として打撃もやっていました。その流れで柔術着を買って、柔術もやってみました。

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金古先生

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taiki

私もPRIDE大好きでした。このインタビューを読んでくださっている方々にもPRIDE直撃世代は多いと思われます。あの時代の格闘技ブームは凄かったですからねぇ。
 
そして、金古先生に関してはピュアな柔術家のイメージを勝手に持っていました。最初に打撃をやっていたというのが意外です。
 
なぜ総合格闘技ではなく柔術に傾倒していったのでしょうか?

打撃と組技の両方をやってみて、打撃よりも組技の方がセンスがあるなぁと感じたからです。だったら柔術かなぁと思い、柔術をはじめました。2004年の9月頃です。

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金古先生

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taiki

白帯時代はどれぐらいの練習頻度でどんなことを考えて柔術をやっていたのでしょうか??

白帯時代は単純に趣味です。
練習頻度も週1−2回程度で完全に休日の趣味でした
 
当時はギターの講師を週6ぐらいでやっていてなかなか平日は練習できずに日曜+どこかの空き時間と言った感じで楽しく柔術をやっていました。
 
単純に柔術の技が使えるようになるのが楽しくて、いろんな技を使えるようになりたいなぁと思いながら練習していましたね。

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金古先生

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taiki

金古先生にもそんな時代があったのですね。
想像がつかない。。
 
青帯になっても同じようなペースだったのでしょうか?


写真1:青帯時代に練習仲間と道場にて/写真2:青帯時代に試合会場にて
 

青帯の頃は週3〜4ぐらいで練習をしていました。
 
当時は自分でも相当練習をやっていると思っていて、とても自信がある状態で試合に出たら、ボロ負けしてしまいました。
 
この敗戦が転機となりました。悔しくて悔しくて、練習意欲がめちゃくちゃ高まりました。2005年12月頃でしょうかね。
 
2006年以降は練習頻度が週6−7日+2部練といった回数になっていきました。

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金古先生

金古先生のエクストリーム練習方法

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taiki

やはり試合で負けるのは悔しいですよね。私も負けると悔しくて練習頻度を上げたくなります。
 
その敗戦を機に練習頻度が変わったとのことですが、意識の面ではどのような変化があったのでしょうか?

青帯に限らず色帯時代に共通して言えることなのですが、知らない技術がない状態、とにかくすべての局面に置いて80点をとるような練習をしました。
 
今ではそこまで使わないディープハーフやニーシールド等ハーフガード系の技術も含め、一通り出来るように練習しました。
 
また、得意な技は勝手に伸びていくことが多いです。私も昔からスパイダーガードは得意でした。
 
得意を伸ばす練習ばかりする方もいると思いますが、それだと自分のプランにはまらなかった場合負けてしまうことも多いと思います。
 
逆に80点の技でも相手のディフェンス能力がそれより低かったらその技はかかります。

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金古先生


写真:試合会場にて(爽やか!) / 若干マッド感があります

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taiki

すべての局面で80点を目指す、、、グレイシー柔術も負けないことを重視する考え方に近い気がする。。。。。

それらの練習はDVDがベースになっています。
 
勿論信頼できる先生に教えてもらうことが一番の近道だとは思いますが、以前所属していた道場は先生不在のサークル的なジムでしたので、DVDをとにかく見ていました。
 
スパーリングをやって知らない展開になってやられることがあれば、それを特集しているDVDを見るといった感じです。
 
主に平日の午前中に他の人と約束してDVDを見ながらその場でやっていました。

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金古先生

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taiki

DVDを見ながらその場で!?
家で技の動画を見て、道場でやろうとしてもやることを忘れたり、技のディテールが飛んじゃったりして身にならないことが私もよくあります。それを防ぐためにあえてその場で見るのですね。

とにかく練習する場所で見ていました。
 
事前に見ても絶対に忘れるので、その場で「こんな感じか?」とか「これが近いなぁ?」と探りながら試行錯誤を繰り返しました。
 
見たDVDの枚数は数えていないのでわかりませんが、確実に100本以上は見ていると思います。
 
もちろんDVDに収録している技は全部やりました。1人だったらできなかったと思います。必ずパートナーと打ち込みを全部やって使える・使えないを判断しました。

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金古先生

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taiki

スゴイ!
DVDを買って満足しがちなオッサン柔術家の私には耳が痛い、、、、
それと同時に金古先生の強さの秘密が垣間見えた気がします。
 
逆に練習で苦労したことや辛かったことはないのでしょうか?


写真:金古先生の教則DVD。私も持っています!

苦労や辛かったことか、、、
 
ぼぼないですね。
 
しいて言えば先程も言ったように分からないことがあった時に先生にきけなかったことです。なので本当に教則DVDにすら載っていないような基礎の部分を茶帯や黒帯になって初めて知った、みたいなことも多々ありました。
 
だからと言ってそれを悲観するのではなく分からないことは自分で調べて勉強して、「どうやったら解決できるかなぁ」と考えて試行錯誤すればいいだけなんですよ。
 
この過程は辛いというよりもむしろ楽しい部分ですよね。

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金古先生

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taiki

その試行錯誤で答えがなかなか見つからなくて行き詰まっちゃうと苦労とかツラいと感じちゃうんでしょうかね。
 
この過程を楽しめる金古先生はどんな道に進んでも結果を出すような人に思えてきました。

ただ、DVD練に関しては茶帯までやっていましたが、黒帯になってからは辞めてしまいました。
 
色帯時代と黒帯時代では練習方法が大きく異なります。
 
色帯の頃は考える材料が不足していたので、とにかくネタを仕入れて自分の中に蓄積していました。
 
黒帯になる頃にはその材料が満たされていたので、自分の中で過去のことから関連付けてあらゆるポジションに対して自分で答えを導き出すことが出来るようになりました。

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金古先生

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taiki

おおお!
これが噂の黒帯脳ってやつですか!!

まさに黒帯脳ですね。
黒帯の先生方はみんなそのように自分が積み上げてきた柔術をベースに物事を考えて答えを導き出していると思います。

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金古先生


写真:黒帯脳前夜。ネタで満たされる寸前です。

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taiki

そうなると黒帯取得後の練習はどのようなことに取り組まれていたのでしょうか?

先程すべてのポジションで80点を目指したと言いましたが、黒帯になってからは各ポジションでのテクニックは80点のまま置いておき、得意な分野への理解を深めることに切り替えました。
 
技の数を増やすことよりも純度を上げて行くことを選択したのです。
 
具体的には、スパイダーガードを90点、100点にしようと磨きました。
 
スパイダーガードについてひたすら考えて磨き続け、誰が対戦相手でもこのガードになったら勝てることを目指しました。
 
それと時を同じくしてべリンボロ等のモダン系の技術が台頭してきたのでその習得にも励みました。モダン系の技術体系に関しては0からのスタートだったので色帯時代と同じく、とにかく知らない技術がないように全ての技術を練習しました。 
 
そこまで高めていった技はムンジアルの舞台でも通じました。

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金古先生

まとめ:苦手なことに向き合って技と柔術脳を鍛えよう

いかがでしたか?

金古先生にも一般の柔術家のように色帯時代があって、試合で負けて悔しい思いをしながら強くなってきたのが凄くよくわかりました。
その中でも私は特に下記の3つが印象に残りました。

  • 教則動画は練習するその場所で見る
  • あらゆるポジションで80点を目指す
  • 考える材料が揃ったら、技の数よりも純度を高める

苦手なポジションの練習から逃げずに、スマホ片手に練習に励もうと思います。
 
また、今回のインタビューを通じて金古先生式の黒帯脳がどのように作られてきたのかが垣間見えましたね。
皆さんも金古先生の考え方や練習方法を参考にして、苦手なポジションと向き合いつつ、自分の技と柔術脳を作り込みましょう!
 
次回は、黒帯時代に考えていたこと道場設立新作教則動画「アルティメットスパイダーガード」について伺う予定です。

お楽しみに!

研究所からは以上です。

アルティメットスパイダーガード金古先生に話を聞いてきた Part2に続く。

アルティメットスパイダーガード金古先生に話を聞いてきた Part 2
こんにちは、taikiです。 前回に引き続き、金古先生インタビューのPart2をお届けします。 前回のインタビューを読まれていない方はこちらを先に読んでから本編を読み進めてください。 金古先生インタビューpart1はこちら。 ...

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