こんにちは、taikiです。
今回はベリンボロマップに続く技解説シリーズ第2段Xガードマップです。Xガードとは何かに対して独自の見解を得ることが出来ましたので、報告させて頂きます。
ちなみに今回はノーマルなXガード限定です。ワンレッグXガードやXガードのエントリーは別の機会にやりましょう。
Xガードマップが出来るまで
今までの俺のXガード脳
皆さん、Xガードってやりますか?
私の中で、Xガードと言えばこんなイメージでした。
- Xガードの本は昔買った(たいして読んでない)
- 相手の下に入って脚をXにするなんて作り込みまでのハードルが高い
- 苦労して作り込んだからにはバックまで行かないともったいない(スイープの2点だけじゃ見返りが少ない)
- スイープしたとしてもよくてオープンガード、ミスるとクローズドガードに入っちゃうので全然ダメ
要はバックまで行かないとお得感がないのです。(と当時は思っていた。)
そうなると一番お得感があるバックテイクを狙うのですが、Xガード作れたからと言ってバックテイク出来ると思ったら大間違い。全然バックが取れずにいつも逃げられてしまいます。
「名前はカッコイイんだけどイマイチその良さがわからない!」というのが当時の私のXガードに対する想いでした。
そんな感じであまり使わなかったXガードですが、スパイダーガードからエントリー出来ることが意外と多く、チャレンジするようになりました。チャレンジしてもなかなかうまく出来るようにならない。。。そんな時に4つの出来事が重なって、Xガードに目覚めることになります。
Xガードに目覚めるキッカケになった4つの出来事
今回、Xガードに着目した理由として下記の4つのことがキッカケとなりました。
先生からの助言
スパーリング中にXガードに限らず、ベリンボロにおいても常にバックテイクしか狙わない私の姿を見て、先生からこんなアドバイスを貰いました。
先生
バックテイクのプレッシャーだけだとディフェンス側がバックディフェンスだけになるので、バックが取りにくい。スイープのプレッシャーと合わせてはじめてバックテイクが可能になる。
確かに、私はバックテイクしか狙っていませんでした。
むしろスイープの2点なんて興味ありませんでした。バック取ってそこから後ろ三角絞めを豪快にお見舞いするか、下から三角絞めを御見舞して1本とるのが俺の柔術だと勝手に思い込んでいました。
なんて柔術の神様に見放されそうな考え方なんでしょうか(笑)
このことではじめて、バックしか狙わない人はバックを取れないことに気付きました。
男性が女性1人にコミットするとモテなくなって、その1人にもフラレてしまうという非モテコミットの罠ってやつです。
ソメ氏からの助言
練習仲間のソメ氏にXガードを教わった時に、相手の重心の位置による技の使い分けについて言及していました。
相手の重心の位置によって出来ることが変わってくるのでそれを見極めることを教えてもらいました。
ソメ氏
重心が高い時は、相手の脚を手で浮かせることが出来るからバックを取りやすい。
逆に相手が股を広げて重心を低くしてきたら、足を持ち上げることは出来ないのでバックテイクは無理。
その場合は相手の前足を蹴り出したり、足を担いで後ろ方向に下がったりしてスイープを狙うといい。
フィジカル野郎を若干ディスる傾向のある理論派柔術家として有名なソメ氏の脳内は綺麗に整理されておりました。
読者のツイート
三角絞めの入り方71 Xガードからの三角絞め https://t.co/R7EO5UzjZv
— Emi Mizuno (@emirobin0122) 2018年4月12日
Emiさんという読者の方がこちらをツイートしていました。私が書いた記事なのに見事に記憶がありませんw
動画を見たらXガードの状態で両手をついていて、三角絞めに行く前にスイープのフェイントを入れていることに気付きました。
この崩しを意識して道場で試したら見事に決まりました。
マルセロ・ガルシアのX Guardからの示唆
Xガードからの三角絞めが出来たのが嬉しかったので、帰宅後にX Guardの本を引っ張り出して、パラパラと見ているとあることに気付きました。
Xガードを作った後に相手の袖も合わせてコントロール出来ている状態の技がとても多かったのです。
そのぐらい作り込めてようやくアタックに移行することが出来るのかと白帯の頃にはわからなかった視点で見ることが出来ました。
みんなの意見を組み合わせて図解したらXガードマップになった
これらの4つを統合して考えると下記のこのがわかりました。
- Xガードにも状態がある
- その状態を有利な形に遷移させるとゴール(バックテイク・関節技)が近づいてくる
- ある状態以上にならないと関節技は狙えない
これって要はベリンボロマップだなぁと思い、ノートに考えを書きながらまとめていたらこんな感じになりました。
それがこちらです。
ベリンボロマップに続き、Xガードマップが出来た。
Xガードマップガイドライン:
- バックテイクもしくはサブミッションをベリンボロマップのフェーズ4≒ゴール(以下Ph)と設定
- 横軸のPhが進めば進むほどゴール(バックテイク・サブミッション)が近くなる
- 各状態は主にどんなXガードの状態を作り込めているかを表す
- 各状態遷移はフェーズを跨げば跨ぐほど難易度があがる
- Ph4までの状態遷移が多ければ多いほど手順が多くなる
人によって作り込み安さは異なると思います。あくまで私の場合です。各状態から常にスイープの脅威を感じさせながら状態を作り込んでいって、サブミッションまでいけたら言うことはありません。
まずは、各状態の定義をした上で動画解説をしていきましょう。
ちなみに、これに気付くまでの私のXガードマップはこんな感じでした。自戒の念を込めて晒しておきます。
Xガードマップで読み解くXガード柔術
Xガードも状態が複数あり、X3まで作り込めるとても優位になります。
どの状態からもスイープは狙えますが、X3の状態まで作り込めるとサブミッションの可能性が見えてきます。
(撮影協力:トライフォース五反田 三瓶翔也先生、秋川かずよ先生)
Ph0:Low X
相手の両足が床についた状態で重心低い場合のXガードを「Low X」としました。
Ph0:High X
相手の両足が床についた状態で、直立気味で重心高いXガードを「High X」としました。
Ph1:XS (X+sleeve)
相手の両足が床についた状態で、相手の片方の袖を持っている状態を「XS」としました。XSのSはsleeveのSです。スパイダーガードからエントリーするとこの形になることが多いです。
Ph2:X1 (X+one leg)
相手の片足を浮かせてベースを不安定な状態を「X1」としました。1はone legから来ています。
Ph3:X2 (X+two hands)
相手のベースを更に崩して、両手を床についている状態を「X2」と定義しました。2はTwo handsから来ています。ここまで崩せるとだいぶXガードでも優位になってきます。
Ph4:X3 (X+two legs+one hand)
X2の状態から更に袖をとって両足と片腕をコントロールしている状態を「X3」としました。3はone hand + two legsから来ています。ここまで相手をコントロール出来るとサブミッションへの道筋も見えてきます。
その他の状態
これら以外にも上の人が下の人のエリを掴んでいる状態だったり、X2+エリを掴んだ状態だったりといろんなバリエーションがあります。全パターンを網羅すると大変なので、皆さんがよく使う状態をベースにして独自のXガードマップを作ってみてください。
Xガードマップで読み解くテクニック動画
X2 → スイープ
Xガードと言えば、マルセロ・ガルシアです。
両手をつかせた状態のX2からのXフックの脚を前に蹴り出してスイープしています。シンプルですね。
High X → X2 → バックテイク
重心が高めで相手が両足を床についた状態のHigh Xから相手を前方に崩して両手を床につけさせてX2の状態にします。
この状態になると足は軽くなるので持ち上げてバックを狙うことが出来ます。
XS → X3 → オモプラッタ
袖を持った状態でXガード(XS)に入り、相手の前方に崩して手をマットにつけさせてX3を作ります。
X3まで作り込めるとサブミッションが見えてきます。おそらく持っている袖の腕と相手との距離によって使える関節技が違ってくると思います。
X2 → X3 → 三角絞め
この動画はX2の状態から始まります。Xガード初心者はまずX2の状態を作れないでしょう。
そういう意味ではなかなか不親切な動画です(笑)
X2から袖を掴んでX3を作り、スイープのプレッシャーを与えつつ、三角絞めを狙っています。なるほどね。
まとめ:スイープが出来ないうちはバックテイクや関節技は出来ない
今回の研究でわかったことは、Xガードは常にスイープ出来る状態にしないとそれ以上のポジションや状態は取れないということです。Xガードからバックを狙うにしてもサブミッションを狙うにしてもそれだけを狙っていてはスイープすら出来ません。
まずはスイープを狙いましょう。
スイープを狙うと見せかけてXガードの状態を上げていき、X3まで作り込んでください。X3が出来てはじめてスイープ以上のモノが見えてきます。
Xガードは道場内でも使い手が比較的少ないと思われます。ぜひ、Xガードを駆使してミスターXの異名をとってしまいましょう!
以上「Xガードマップで理解するXガード攻防戦」でした。
研究所からは以上です。
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今回のXガードマップと合わせてベリンボロマップもぜひ参考にしてみてください。
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