こんにちは、taikiです。
先日のQUINTET(クインテット)見ました??
前評判を大きく覆す素晴らしい試合ばかりでグラップリングの面白い要素が凝縮された神興行だったのではないでしょうか。今回は、そんなクインテッドがなぜ面白かったのかをルール面から考えてみようと思います。
ルールから考えるクインテッドの面白さ
今回のクインテッドを見てその面白さの秘訣はなんだろうと勝手に考えました。素晴らしい選手達は言うまでもないのですが、面白さを構成する要素の1つに絶妙なルールがあると思います。
膠着を回避するルール
グラップリングでは、選手同士が膠着してしまうと見ている側にといってはツライ展開がよく起こります。柔術でもよく起きます。(選手は一生懸命やっているのは当然わかっています。)
この状態を「塩試合」、一方的に何もさせずに膠着させると「塩漬け」と呼んだりします。もちろん、塩試合でも塩漬けの為の細かいテクニックはあり、そこを楽しむことはマニアであれば出来るのですが、一般人にそれを求めるのは酷です。
今回のクインテッドルールでは微妙に塩試合を回避するルールになっているように見えました。
具体的には違反行為のこの3つです。
違反行為(軽微な反則=指導)(一部抜粋)
- 膠着を誘発するクローズドガード
- ポジションをキープするだけで攻撃の意図が見られない場合
- スタンドでテイクダウンを狙わずディフェンシブに動き回る行為
とにかく膠着せずにアグレッシブな試合展開にしたいという意思が明確にルールから伝わってきます。
出来るだけみんな試合するルール
1dayトーナメントシステム
1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない。
勝ち抜き戦なので試合をしない選手はどうしても出てしまいます。
しかし勝ったチームは試合していない選手を優先的に組まないといけないというルールがあるので理論上優勝チーム以外の選手は全員必ず試合をすることになります。
このため選手の中には平等感が生まれ、観客側にはいろんな選手が見れるお得感が生まれるのではないでしょうか。このさりげないルールが絶妙ですよね。
階級を超えた夢のカードが新鮮
そして、体重の上限が決まっているところでしょうか。
体重
チーム5人の総体重は430kg以内とする。(前日計量)
団体戦だからこそ見れる夢のカードってありますよね。今回で言えば、宇野薫vsマルコス・ソウザなんて階級制では絶対に成立しない試合ですよ。
個人的には階級を超えた戦いはそこまで好きではないのですが、このルールであればあっても良いかなぁなんて思ったりしました。
妄想クインテッド柔術
そんなクインテッドの面白かった所を柔術が取り入れて新しい柔術を勝手に妄想しました(笑)
クローズドガードに20秒ルール
柔術の試合を見ていて厳しいなぁと思うのは主に下記3つの状態じゃないでしょうか。
- スタンドで両者引き込まず微妙な立ち技がずっと続く
- クローズドガードに入れて一度も割れずにポイント0-0のレフリー判定
- 50/50に入ってそのまま膠着して時間切れ
この際、これらの事象が起きないようにルールにしましょう!
具体的には、ダブルガードの20秒ルールを適用して、全部20秒動きが無かったらルーチを与えてスタンドからやり直しにしちゃう。
どうでしょうか?
このルールだとクローズドガードにいれて落ち着くという行為ができなくなるので選手としてはとても疲れて大変になるかもしれません。逆に見る側としては動きがある試合になって面白い展開になるかもしれません。クローズドガードを割る技術は衰退しそうだけど。
こんな感じでクインテッドルールを柔術に適用させると一般人にもウケるエンタメ柔術が出来上がるのではないかと勝手に妄想しました(笑)
アグレッシブなエンタメ柔術を見せることが出来れば、柔術をやっていない人にも届きやすくなって、競技人口が増えたり、プロ柔術の興行でもっと人が集まったりしませんかね。アマチュアの大会でやるのは無理にしてもプロ柔術の興行で実験してほしいです。
まとめ:動きのある試合は見ている側も面白い
今回のクインテッドをみて感じたのは、動きがある試合はやっぱり面白いということです。
我々のような一般柔術家も日々アグレッシブな柔術を心掛けて、試合に臨んでいれば、クインテッドのスカウトマンが柔術の試合会場に毎回来るような未来がやってくるかもしれません。
クインテッドがグラップリングを表舞台にするキッカケを作るかもしれませんが、それを支えるのは我々のような一般柔術家の充実した日々の練習でしょう。そのためにも道場の人達が練習仲間のスパーリングを見て楽しいと思えるスパーリングを積み重ねましょう!
研究所からは以上です。
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