こんにちは、taikiです。
試合が近くなってくると必ず話題にあがってくるのがもう一つの戦いである減量!
今回は、永遠のテーマである減量について取り上げようと思います。
「痩せるとはなんぞや?返答せい!!」に返答しよう
男とはなんぞや?
おっと、違った。痩せるでしたw
痩せるってなんですか?
体重を減らすこと?
残念。不正解。
「痩せるとはなんぞや?」に対する答えは「痩せるとは、筋肉を減らさずに脂肪を減らすこと!」です。
筋肉が落ちて身体がしぼんで緩んじゃったら、求めていた「痩せる」とは違いますよね。
体重を落とすことが目的ではありません。
脂肪を落とすことがみんなが望む「痩せる」なのです。
実例で考える現実的な「痩せる」目標設定
脂肪を落とすことがみんなの望む「痩せる」ということがわかったので、より具体的な事例を元に「痩せるとはなんぞや?」を掘り下げていきましょう。
体脂肪率30%の70kgメタボおじさんが10kg痩せる場合
体脂肪率30%、体重70kgのメタボおじさんが10kg痩せるとどうなるかをわかりやすく例えるために、下記3通りに場合分けしました。(実際に筋肉だけ10kg落とすことは出来ません。あくまで例えです。)
- 筋肉が減って10kg痩せる
- 脂肪が減って10kg痩せる
- 脂肪が15kg減って、筋肉が5kg増えて10kg痩せる
①筋肉が減って10kg痩せる
まずは筋肉だけが減って10kg痩せる場合を考えてみましょう。
家でじっとして食事だけ我慢するイメージでしょうか。
筋肉が10kg萎んでしまうと体脂肪率は35%に増えてしまいます。体の締りは更になくなって目も覆いたくなるような悲惨な状況です。
10kg痩せたいと言って10kg痩せましたが、望んでいたのは明らかにコレじゃないですよね?
②脂肪が減って10kg痩せる
今度は逆で脂肪を10kg痩せた場合です。
体脂肪率が18%になって、だいぶ引き締まりました。皆さんの痩せたいはこちらの方がイメージが近いですよね?
③脂肪が15kg減って、筋肉が5kg増えて10kg痩せる
今度は、筋肉と脂肪の両方で見ていきましょう。
脂肪を15kg削って、トレーニングで筋肉を5kg増量して、トータルで10kg減です。
体脂肪率が10%になって、腹筋が割れました。
世間一般の「痩せる!」のイメージはこれだと思います。
何が正しい「痩せる」なのかはご理解頂けたと思います。
68kgの俺はライトフェザー級(64kg)に落とせるのか
今度は実際に私が減量して、ライトフェザー級に落とす事を考えて見ましょう。
- 身長 180cm
- 体重 68kg
- 体脂肪率 12%
私の脂肪は理論上は8.2kgです。筋肉量を維持したままライトフェザー級の62.5kg(柔術着を1.5kgと仮定)まで落とすには、脂肪を5.5kg減らす必要があります。
仮に脂肪を5.5kg落としたとするとその時の体脂肪率は驚愕の4.3%!
ここまで来ると天空には死兆星が見えるだろう。
さすがに死兆星が見える状態で試合が出来るほど、私の精神力は強くない(笑)
このようにロジカルに考えると私にとっては今のフェザー級が適正な階級であることがわかります。
プロ格闘家の減量は更に水抜きが加わる
プロ格闘家の減量にも触れておきましょう。
プロ格闘家、特にUFCを始めとする総合格闘技は計量が試合の前日にあることが多いです。
前日計量になると計量終了後から試合開始まで1日あるため、一時的に脱水症状をおこして体内の水分を大きく減らす「水抜き」というテクニックが使えます。(逆に当日計量の柔術でこれをやると危険。ダメゼッタイ!)
体水分率を60%から55%ぐらいに落とすのです。
80kgの選手であれば、それだけで4kg落ちます。選手によっては10%ぐらい体水分率を落とす選手もいるでしょう。
それを図で見るとこんな感じだ。
参考までにコナー・マクレガーの計量当日と翌日の試合当日の違いを見てみましょう。計量当日の水分が抜けた状態と翌日の回復させた状態の違いが見てわかると思います。
試合時(翌日)
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ちなみに、計量当日コナー・マクレガーはUFCのフェザー級であれば、175cm・66kgです。
不勉強なファッション系のライターやブロガーは、この数値をとって来て、「我々とはあまり変わらない。鍛えた体は最高のファッション!我々も鍛えよう!」的な事を言います。この数値は計量当日の瞬間的な数値であって、翌日の体重はかなり戻しているので体重は70kg代になっているでしょう。
一般人がこの数値を目指して体を作ってもあんな体にはならないのです。
そういった不勉強なライターさんの巧みな文章に騙されないようにしましょう。
追記:
PANCRASE293試合出場選手前日計量と当日参考計量の数値を発表致します。 https://t.co/jafUfKtOrE pic.twitter.com/yjw3tYXbex
— JMMAF (@JapanMMAFed) 2018年2月6日
先日のパンクラスでの計量と試合当日の体重を発表しています。
皆さん、普通に5kg以上戻していますね。
まとめ:どのぐらい脂肪を削るかをロジカルに見定めて減量に挑もう
今回の内容を踏まえると、いかに「痩せたい♡」という会話が雑な議論であることがお分かりいただけましたでしょうか。
我々柔術家が試合に臨む際に強いられる減量は、「ダイエットしなきゃ♡」的な本気で痩せる気がないダイエット(詐欺)女子の取り組みとは目的も本気度も大きく異なります。
体脂肪率からどのぐらいの脂肪カットが無理なく痩せられる範囲かをロジカルに見定めた上で、減量の目標設定をしましょう。
そして、目標体重が定まったら、それをどのぐらいの期間で達成するか減量スケジュールを考える必要があります。
ということで、次回は減量スケジュールについてやりましょう。
以上、「痩せるとはなんぞや?返答せい!!」無理なく痩せる図解ロジカル減量法!でした。
オマケ:体脂肪率を測れる体重計
体脂肪が測れる体重計を持っていない人がいたら、すぐに購入してください。
タニタで良いと思います。
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