相撲の統計データから導かれる八百長仮説とそれを読み解く思考の筋トレ


こんにちは、taikiです。

突然ですが相撲好きですか?
私は特に詳しいわけでもないですし、積極的に見るわけではありません。
しかし、題材としては非常に面白いので取り上げてみようと思います。

日馬富士問題で揺れる相撲界ですが、この事件にはマスコミが直接明言することを避けている八百長問題が関係あると勝手に思っています。
ガチ思考の人と非ガチ思考の違いであって、マスコミはそこに触れない。こんな構図に見えます。
で、そもそもガチか非ガチかという議論に関して統計的に検証した書籍がありますので紹介したいと思います。

相撲の統計データから導かれる一つの仮説

有名な本なのでご存じの方も多いと思います。
この本では、無人販売におけるインチキ率とか世の中に起こるいろんなことを数値で統計的に検証しています。その中で、相撲の千秋楽におけるある条件下の力士の勝率について下記のような検証をしています。
相撲は1場所15試合ありますが、最終日の千秋楽では7勝7敗の力士に注目が集まります。

千秋楽における7勝7敗力士の勝率
7勝7敗が8勝6敗の力士が対戦した時の勝率 79.6%
7勝7敗が9勝5敗の力士が対戦した時の勝率 73.4%

千秋楽以外で上記の両者が対戦した場合の勝率
7勝7敗が8勝6敗の力士が対戦した時の勝率 48.7%
7勝7敗が9勝5敗の力士が対戦した時の勝率 47.2%

出所:ヤバい経済学

この勝率の差はなんなのでしょうか。

崖っぷちの力士は千秋楽で火事場のクソ力を発揮するから勝率が高くなる??

そんなはずない(笑)

7勝7敗力士は千秋楽で勝って、勝ち越して終えると番付がさがらない(≒もらえるお金が減らない)。逆に8勝6敗や9勝5敗力士は優勝がかかっているわけではないし、勝ち越しは決定しているので、1つ敗けてもインパクトはそれほど大きくない。それであれば、確実に次の場所で勝てるように相手に貸しを作っておいたほうがメリットが大きい。。。

この様な利害関係が一致する力士同士で何らかの取引があったと考えるのは自然ですね。

八百長だからダメと言う単純な話ではない


相撲をピュアなスポーツとするならば、きっと八百長となるでしょう。

しかし、それは物事を1つの側面からみただけに過ぎません。冷静に考えてみてください。15試合×6場所=90試合/年も試合があります。
年間90日も柔術の試合出来ます??
プロでお金貰ったとしても年間ワンマッチを90回、、、、無理ですよね?
柔術だって月に2回試合に出たらそれだけで相当大変です。

また、興行としてのビジネス的な観点も無視できません。本当に全試合ガチにしたら、怪我人続出で興行数を減らす必要が出来てます。そうなると興行収入は減ってしまいますので、相撲協会的にはなかなか受け入れることが出来ないでしょう。

更にガチ路線を追求していくとKO狙いのファイトスタイルの力士が出てきてもおかしくありません。力士はヘビー級のボクサー的な側面もありますので張り手でKOされようものなら、試合どころか1ヶ月は激しい練習も禁止です。少なくとも連日ガチをやって脳の障害リスクをおって無理するような相撲を私は見たくありません。

今回の事件に関しては、競技としての相撲と興行としての相撲の2つの考え方の違いが争いの根底にあったのではないでしょうか。(だとしても、カラオケのリモコンで殴ったりしちゃダメですけど。)

ここまで背景を(勝手に)考えると逆に面白くなってきませんか?

まとめ:白黒はっきりするものばかりじゃない!物事は多様な視点でみるから面白い


今回の相撲騒動に関する八百長問題が背景にあるというのは私の仮説に過ぎません。
これ以外にも、興行特有の反社会的勢力との関わり断絶派と共存派の構造という見方をする人もいるようです。

何が真実かは誰にもわかりません。ただ、10人いたら10通りの見方があるものです。

真実が一つなんてことはありません。

一つの見方に拘ることこそが誤りであり、いろんな仮説が共存するからこそ面白いのです。
逆に言えば、真実を一つに決めつけてしまうことは共産主義的な考え方であり、人類が既に学んだ大きな失敗の一つです。

柔術だって護身術を想定した柔術もあれば、護身術とは真逆のダブルガードからバックをとるモダン柔術もあれば、総合格闘技を意識した脇差し主体のNOGI柔術もあります。真の柔術が一つなんてことは無いように、物事はいろんな側面から見て、いろんな仮説を勝手に立ててあーでもない、こーでもないと考えるほうが楽しいですよね。

フィジカルの筋トレもいいですが、マット上のチェスとか知的格闘技と言われる柔術を楽しむ皆さんは、ぜひ思考の筋トレも積極的にやりましょう!

以上「相撲の統計データから導かれる八百長仮説とそれを読み解く思考の筋トレ」でした。

ちなみに、思考の筋トレにはこちらの本をオススメします。プロレスが好きな方はどうぞ。

研究所からは以上です。

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