こんにちは、taikiです。
昨年の9月から始まったRoad to Worldmaster2017も終了しました。この1年は積極的に試合に出場しました。具体的にはこんな感じです。
- 2016.09 関東柔術選手権 1試合
- 2016.10 KBJJA PRO 2試合
- 2016.12 東京国際柔術選手権 2試合
- 2017.02 全日本マスター柔術選手権 2試合
- 2017.04 Japanese National IBJJF Jiu-Jitsu Championship 2試合
- 2017.05 トライフォースチャレンジ 2試合
- 2017.05 東日本マスター柔術選手権 3試合
- 2017.06 東日本柔術選手権 3試合
- 2017.08 Worldmaster 2017 5試合
9大会、22試合に出場しました。数えてみると思った以上に出てますね。さすがにこれだけ試合をしていると見えてくるものがあります。青帯如きの私が試合について語るの後ろめたい気持ちもありますが、私なりに感じたことがありますので、試合にチャレンジする人の参考になればと思い、書いてみました。
強くなることと強さを発揮する事は違う
自分の持っている力は、心技体の全てが揃わないと発揮できません。道場での練習としての柔術と大会での試合としての柔術では、心技体の部分も異なります。試合としての柔術には試合としての準備がないと力を発揮することは出来ないということが実感としてわかってきました。
試合には試合用の準備が必要だ
試合用の準備とは、具体的には下記の5つだと思います。
- 怪我:深刻なケガをしていては、当然強さは発揮できません。
- 疲労:乳酸や疲労物質の溜まった身体では思うような動きは出来ません。
- 体重:ムリに体重を落として、試合当日にゲッソリしていては強さは発揮できません。
- 体調:風邪を引いていたり、治っていても病み上がりでは強さは発揮できません。
- メンタル:精神的なストレスや心配事があって、試合に集中出来る状態でなければ強さは発揮できません。
この5つを整えて試合に臨む事は思っている以上に難しいです。読者の皆さんも仕事をして、家族のケアをしながら柔術に取り組んでいると思いますが、どうしてもいろんなことが重なって5つのうちのどれかが崩れることがあります。そうなると本来の強さからはかけ離れたパフォーマンスになってしまいます。
私は、4月のJapanese Nationalの直前に風邪を引いてしまい、病み上がりの状態で試合をして思うような動きが出来ず、自分の力を発揮できなかったと実感しました。また、これだけ柔術と試合に明け暮れていると家族からの不満も当然たまります。家族との関係がうまくいかないとメンタルの部分がやられてきます。私は、家族が応援してくれない状況下で勝てるほどタフではありません。家族のケアに関しては、こちらをどうぞ。
試合にたくさん出ると試合に慣れる
人間の恐ろしい特徴の1つとして「慣れる」という能力があります。ブラック企業での長時間労働にも慣れてしまいますし、昭和の中学高校の部活のように「水を飲んではいけない」と言った今考えるとトンデモ理論のような根性論にだって慣れてしまうんです。
こんなシゴキだって慣れます。
この人間のおろそしい特徴の「慣れる」は柔術の試合に関してもそうです。私もデビュー戦はめちゃくちゃ緊張しました。前日、寝られないぐらい緊張しました。当時の緊張度合いを100としたら、今は20ぐらいに抑えられている気がします。これぐらい慣れてくると試合で緊張して実力が発揮できなかったと試合後に感じることが無くなります。少なくとも前述した5つの条件がクリア出来ているならば、今できることは全部やったなぁと思えます。
今回のワールドマスターに関しても、自分の持っている実力は発揮出来たと思っています。その上で負けてしまいました。納得しています。
試合でビビったり、緊張したりする人はこちらを参考にしてください。
試合を通じてわかった技に関する事
試合はたった5分ですが、強烈なインパクトがあります。心で感じて記憶に刻まれます。一生モノの記憶になる5分間の試合から得れるモノは計り知れません。
試合でやられた技は忘れない。逆に自分の技になる。
普段道場で習うテクニックはすぐ忘れてしまいますが、試合でやられた技は忘れたくても忘れられません。強烈に記憶に刻まれます。
その強烈に記憶に刻まれた技の対策を練るのはもちろんなのですが、自分の技にすることも出来ます。縁もゆかりも思い入れもない技よりも自分がやられた身体と心に刻まれた技は、汗だくの相手の汗が自分の道着に吸収されて気持ち悪くなるぐらい簡単に入ってきます。
今回も試合の中で対戦相手にやられた技の幾つかを、対策を練ると同時に、自分が使えるレベルに昇華させようとブラッシュアップしています。試合は技を仕入れて、技のバリエーションを広げるには最高の場かもしれません。
練習でやることを絞る
試合に向けた限りのある時間の中では、新しい技の修得や改善・強化に関しては選択と集中が必要になります。
ワールドマスターの2ヶ月前ぐらいの段階で、ベリンボロ、逆ハーフのトップの攻防、50/50の攻防の3つの大きな課題がありました。試合までに残された時間の中で、全部を潰し切ることは出来ないので、ベリンボロに絞って打ち込みを行いました。他の2つは優先順位を下げました。結果的には、試合ではどの展開にもならなかったのですが、優先順位を決めて練習メニューを考えた事は、練習の密度を高めるという観点からは非常によかったと思います。
実は練習よりも試合の方が技は決まりやすい?
道場で練習仲間とスパーリングをしているの手の内がバレて来て、技の対策を練られて自分の得意技が掛かりにくくなったなぁと感じたことはありませんか?
試合ではこれが逆に作用します。対戦相手に自分の技がバレていないなら、むしろ普段よりも掛かりやすいのです(逆も真なり)。
練習仲間に対策を練られている技が1番試合で極まりやすかったりします。今回試合を踏まえて、道場の練習仲間のジハさんに言われたのは「いつもの通りの技と展開だった」と。
つまり、普段道場で使っている技は、試合でも自信を持って思いっきり使えばいいということです。
まとめ:試合は楽しいのでチャレンジしてみよう
いかがでしたでしょうか?
試合に向けた練習を考え、試合に慣れて、試合後の課題の潰しこみのサイクルが回ってくると試合がとっても楽しくなってきます。その結果、試合を楽しめた人こそが、強さを発揮できる人になれるんじゃないでしょうか。
試合という非日常は最初は慣れずに大変な事が多いですが、学ぶこともたくさんあります。ぜひ、積極的に試合にチャレンジして、試合でしか得られない楽しさを味わってみてください。
以上、「ブラジリアン柔術の試合ばかりしていたら見えてきたこと」でした。
参考:世界で戦うための経験と心構え|世界陸上ロンドンにおもう
↑この記事にインスパイアされました。
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