木部 亮『シングルレッグハーフガードシステム』を図解する

ハーフガードが得意な方も苦手な方も、こんにちは、taikiです。

つい最近まで、「ハーフガードって半分ぐらいパスされちゃっていてピンチ。だからこそ、フルガードに戻すことが最優先」と考えていました。
共感してくれた方、私と仲良くなれそう(笑)

しかし、ハーフガーダーの方々は見える景色が違います。スイープとバックが見えるのです。しかもハーフガードは相手のスピードを殺して、パスガードのパターンを制限することができるから対応しやすいとか。。。

同じガードでもこうも見える景色が異なると向こう側も見てみたくなるってものですね。

そんなハーフガードの向こう側を扱った教則動画、木部亮先生の『シングルレッグハーフガードシステム』(以下、SLH)をレビューしていきたいと思います。

まずは全体像を捉えよう


毎度のことですが、まずは目次を見て全体像を捉えましょう。
この目次こそ、製作者の意図が凝縮された、一切無駄のない至極の一品です。堪能しないのはもったいない。

まずは、イントロダクションと基礎知識で概要を説明しています。
この基礎知識の中で、SLHからのアタックはクロスニーとリバースハーフに移行してからのパスガードと仰っています。

そうなると、ニースライスの場合とリバースハーフの場合とで詳しく解説があります。

そして、それ以外の「相手が立ち上がった場合」と「その他あるあるネタ」を紹介しています。

非常にわかりやすい構成ですね。木部先生の脳内がきれいに整理整頓されているのが伺えます。

文字だとわからない?では、図解してみましょう。

図解:『シングルレッグハーフガードシステム』

イントロダクション/基礎知識

まずは1-5まではSLHのコンセプトと知っておきたいことを説明してくれています。

その中でも特に抑えておきたいのは、想定されるアタックでしょう。

木部先生がニースライス系のパスとリバースハーフに変化してからのパスの2つが多いと仰っています。

その後の教則動画は、この2つの状態へのスイープとバックテイクを中心に解説が進みます。

「SLHからの想定される相手側の主要アタックはニースライスとリバースハーフからのパス」という根本を抑えておかないとせっかくの知識が断片化して応用が効きづらくなってしまうでしょう。まずは、この大きな構造を身体と心と脳に刻みましょう。

SLHエントリー

なにはともあれ、エントリー方法です。
エントリーできないことには、はじまりません。

ニーシールドハーフからの変形、スタンドからの引き込み、リバデラからの3通りです。

この中でもニーシールドハーフから脇を刺す方法として、「肩から行く」という話が目からウロコです。この部分だけでもめちゃくちゃ使えますし、実際にスパーリングでも使うようになりました。これを知っただけでも満足したぐらいです。

SLHからのスイープとRHの展開

先に述べたように「SLHからニースライスパス」と「SLHからリバースハーフに展開してからのパス」がSLHに対するメインアタックになります。

その2つのパターンに対して丁寧に説明してくれています。

この教則動画の核となる部分はここでしょう。SLHのコンセプトがわかったらこの部分をひたすら練習です。

また、木部先生はサイドクリンチという言葉を使っていませんが、起き上がる過程でそれっぽい形になります。もしかしたら、ラペラを持っているからサイドクリンチとは区別しているのかもしれません。

相手が立ち上がってきたら

SLHからの展開は大きくは前述の2パターンですが、もちろんそれ以外もあります。相手が立ち上がってきた場合です。

相手が立ち上がってきた場合は大きくは2つ。1つが「もう一度座らせる」で、もう1つが「シントゥーシン」を作ってスイープです。

立ち上がられた後に、右にパスに来た場合、左にパスに来た場合と丁寧に説明があって「SLHシステム」になっているような気がしました。

その他SLHあるある

更にそれ以外の展開をあるあるネタとして紹介してくれています。

具体的には「パスガードされそうになった場合」と「チョークに来た場合」の対処方法です。

ここまであるとSLHから想定される展開を網羅しているのではないかという気がしてきます。

まとめ:シングルレッグハーフはシステムとして学ぼう

教則動画をレビューするたびに同じことを言っている気がしますが、教則動画で学ぶべきことは単品の技ではなく、背景にある思想です。

単体の技が一つ出来たところでスパーリングで使いづらいのは皆さんもご存知でしょう。

教則動画の製作者側の思想や意図を読み取って大枠を捉えてこそ、手順やディテールが活きてきます。

教則動画を通じて製作者と対話できればテクニック以上、お値段以上のものを入手できるでしょう。

また、この教則動画は字幕があり、最後にまとめがあったりと親切な作りになっています。こういう細かい気配りもいいですよね。

ぜひ、木部先生の『シングルレッグハーフガードシステム』を手にとって、ハーフガードをガードレパートリーに加えましょう!!

以上「木部 亮『シングルレッグハーフガードシステム』を図解する」でした。

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追記

木部先生から直接コメントをもらいました。
教則動画とこの記事をセットで読むといいそうです!

あわせて読んでほしい

今回の教則動画は吉永力先生の『ハーフガード』とセットで見るとおすすめです。
サイドクリンチの展開やリバースハーフの展開で共通する部分が多く、SLHに加えてニーツイストハーフもできるようになるとハーフガードの幅がさらに広がります。

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