こんにちは、taikiです。
皆さん、ハーフガードは得意ですか?
ハーフガードと言えば、「半分パスされちゃってる危うい状態」の人もいれば「スイープとバックが狙える攻撃的な状態」と考える人もいるでしょう。
私はどちらかというと前者。しかし、吉永力先生のセミナーを受けて以来、後者の状態が少しずつわかるようになってきました。
その力先生の教則動画『ハーフガード』を購入して見たところ、今までセミナーやクラスで習っていた断片的なテクニックが自分の中で体系的に繋がっていくのがわかりました。
せっかくなので、自分の整理の為にも図解『ハーフガード』としてまとめてみたいと思います。
ハーフガードの特性を最初に抑えよう
まずは本題に入る前にハーフガードの特徴を整理しておきましょう。
ハーフガードは何が嬉しいか、逆に何がしんどいか。まとめるとこんな感じ。
メリット:
- バックが近い
- スイープ後にハーフガードから始まる
デメリット:
- サブミッションが少ない
- パスまで近い
バックが近くて、スイープ後が良い形であるならば、狙うのはバックかスイープが多くなりますね。
ハーフガードにおける主な選択肢
- スイープ
- バック
- (フルガードに戻す)
- (サブミッション)
私はハーフガードというと、「パスされかけている状態なのでフルガードに戻す」を最優先に取り組んでいました。
しかし、ハーフガードが得意な方は、「フルガードに戻す」という選択肢を使うことはないようです。パスされることがないので、それを選ぶ必要がない。これがハーフガード脳ですね。
今回の教則動画には、フルガードに戻すという選択肢は出てきません。スイープとバックがメインでたまにサブミッション。そんな頻度です。
そんな前提を抑えた上で、本編に行ってみましょう。
図解『ハーフガード』
まずは目次から全体像を見ていきましょう。全部で32のテクニックが収録されています。
毎度のことながら、情報をまとまったカタマリに分けて整理してみます。チャンク化ってやつですね。
chunk チャンク
〔パンや肉などの〕大きい塊、ぶつ切り、厚切り
〔音声や画像ファイルなどの〕ひとまとまりのデータ。
そうするとこんな感じに切り分けられます。
1-18までが基礎編、19-32が応用編として大きく2つに分けました。
基礎編は本教則動画のコアとなる「ニーツイストハーフ」「サイドクリンチ」「リバースハーフ」が中心、応用編はコアの3つをどんな状況で応用させて使うかの事例集的に考えると構成がスッキリ入ってきます。
基礎編をブレイクダウンして見ていきましょう。
イントロダクション
一番最初に、本教則動画のコアとなる「ニーツイストハーフ」「サイドクリンチ」「リバースハーフ」の3つについて説明しています。
ここではテクニックについて説明するよりも、「この3つのポジションが大事で何度も出てくるからこれを抑えてね」と伝えてくれています。
ニーツイストエントリー
ここからが本編です。ニーツイストへのエントリーが収録されています。
ニーツイストに行くためのニーレバーや脇を刺されたり(アンダーフック)、枕を取られたり(クロスフェイス)した場合からのリカバリーを含めて紹介しています。
これができないことには何も始まりません。当然、優先順位的にもトップです。
ただ、この教則動画の中で一番むずかしいのもニーツイストを作ることなのではないでしょうか。脇をカチあげて下に潜り込む動きを出来るまでに何度も失敗してパスガードされるというデスロードが必要になります。ポジション限定スパーを導入して練習しましょう。
ちなみに私はまだココ。なかなか先に進めない(涙)
ニーツイハーフ
ニーツイストができたら、スイープとバックはだいぶ近いと言えるでしょう。これらの技をやるよりもここにたどり着くほうが大変。
ニーロックはオマケ的な技として後回しでも大丈夫。
サイドクリンチ
ニーツイからバックを取ろうとして横並びのタートルっぽい攻防になったときのスイープ、バックテイク方法です。これもここまで来たら結構イケる技。
リバースハーフ
ニーツイストが強烈に決まると膝を逃したくてリバースハーフに移行することが多々あります。その時の攻防です。
デラヒーバからバックステップされてもリバースハーフの展開になりますね。ニーツイ以外からもリバースハーフになる可能性はありますので、これも優先順位高め。
ここまでが基礎編です。
- ニーツイストハーフ
- サイドクリンチ
- リバースハーフ
この3つのポジションは連動するのどれか一つというわけには行きません。セットで習得しましょう。
解説『ハーフガード』 カウンター編
ここからは後半の応用編について図解を交えて解説していきましょう。
カウンターとしてのハーフガード
全部とりあげると大変なので、「ニーツイストハーフ」を経由するカウンターを取り上げてみましょう。
こちら。
クロスニーパスやトライポッドパスは最後のほうがニーツイストハーフの形になっていますよね?
そうなると当然、ニーツイ系の技をカウンターとして狙えることになります。
逆に言えば、ニーツイ系の技を使えないとカウンターもできないわけで、やっぱりニーツイをマスターしよう、話はそれからだってなることがご理解いただけると思います。
やはり、優先順位的にはニーツイストハーフになります。
総括:吉永力『ハーフガード』とはなんだったのか
この教則動画を一言で表現すると「ニーツイストハーフ入門」といったところでしょうか。
ニーツイストハーフが核にあって、その周辺にサイドクリンチとリバースハーフがある。それらのポジションにくれば勝てるシステムがある。そんな内容ではないでしょう。
全体像と優先順位はわかったので、あとは必死に練習して、身体で覚えるだけですね。
練習を通じてわかったこと
実際に私がこの動画の技を練習で使ってみて、実感したことをまとめてみましょう。
- アンダーフックを作れてもクロスフェイスを取られたら意味がない
- アンダーフックを作った後に、フルガードに戻すという選択肢もある
- 相手が嫌がるレベルで膝を撚るのが難しい
- 相手がリバースハーフに逃げてきたら、その瞬間を狙うとスイープしやすい(もたもたしない)
ニーツイストが未完成なので、実戦投入はもう少し先になりそうです。
まとめ:単体の技でなくシステムとして学ぼう
技というのは単体で存在しているのではなく、複数の技が繋がって大きなシステムとして存在しています。
教則動画とは単体の技をみるものではなく、製作者の思想や背景にある意図を汲み取った上で、その人が築いてきたシステムを見させてもらうものでしょう。
教則動画を見ることは製作者との対話と考えることができれば、柔術のテクニック以上のものを吸収できます。
ぜひ、柔術を通じて先生方と対話しましょう。
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芝本先生のセミナー動画も構成から紐解いています。あわせて参考にしてみてください。