道場での練習を「営業」に例えたらしっくり来た話

こんにちは、taikiです。

先日、身体を使った練習だけが練習じゃないよなぁと思ってこんなツイートをしたら、意外と共感してくれる方がいらっしゃいました。

道場のクラスを60分とすると、クラス前後のフリーマットを考慮しても60-120分/日の練習が限界です。

練習量を増やそうと考えたら一日あたりの練習時間を増やす、もしくは練習日数を増やすことを考えるでしょう。

いやいや、ちょっと待て。

道場に行って身体を使った練習という意味ではそうかもしれませんが、柔術とは知的スポーツであったはず!そう考えると身体を使わなくても頭を使えばそれも練習になるのでは?

ということで、柔術の練習とは何かについて掘り下げて考えてみようと思います。

柔術を企業活動で例えてみよう

柔術の練習時間について考える前に、企業活動について考えてみましょう。

企業活動にはサービスや商品の開発があって、それらを販売する営業活動があります。また、中長期的に企業をどういう方向性で進んでいこうか考える経営企画の活動もあります。

企業として売上を伸ばそうとしたら、当然営業活動に力を入れます。その結果、短期的には売上も利益も伸び、その結果がさらなる営業活動を呼び起こします。売上のためにパワハラ的なノルマも辞さない暴走をする企業も出てくるでしょう。

しかし、営業だけをやっていても伸び幅にはいずれ限界がやってきます。

お客さんの意見を汲み取って新しい商品やサービスの開発も必要になりますし、中長期的な事業計画を考える必要もありますし、経営理念といった組織としての哲学を固めることもあるでしょう。

確かにお客さんから金銭授受を伴う営業活動は軽視できませんが、企業活動で考えるとそれは一部でしかありません。

当たり前すぎてつまらない?そろそろ柔術の出番です。

身体を使った練習は営業活動みたいなもの

ここで柔術と企業活動を対応させてみましょう。

柔術を企業活動に例えて考えると身体を使った道場での練習は営業活動と言えるでしょう。

柔術活動の基本は道場で身体を使ってやってみることです。

道場での練習なくして強くなることはありません。

その一方で、新しい技を学んだり、自分のスパーリングや試合を振り返って課題を潰しこむといった活動は、商品開発や顧客対応にあたると考えることが出来ます。

そして、自分の柔術を中長期的にどういう方向で進化させていこうかと言った柔術ロードマップを作ることは、企業で言えば経営企画といった予算や事業計画の立案にあたります。

もちろん、これらの活動は営業とは異なりお客さんからの金銭授受が伴う活動ではありませんが企業活動には必要不可欠な活動です。

つまり、道場での身体を使った練習(≒営業)以外にも柔術が強くなるためには必要なこと(≒商品開発や経営企画)があるんじゃないかということです。

練習の解釈を広げて考えると道場に行って身体を動かすことだけが練習ではない!!

短期的には商品開発と顧客対応


では、道場に行かないでも出来る広義の練習は具体的に何があるでしょうか。

短期的にはこのあたりでしょう。

  • スパーリングでやられたこと、うまく出来なかったことの原因究明
  • その日に習ったテクニックの復習
  • 今やろうとしているテクニックの整理

顧客(練習相手)から指摘されたクレーム処理や商品開発は日常的に発生する業務です。

これらをサボって仕事が溜まっちゃうと大変なことになるのはご存じの方も多いはず!

溜めずにテキパキとさばきましょう。

中長期には事業計画

中長期的には、事業計画(柔術計画?ロードマップ?)を作ってそれに従うことです。

闇雲に練習するよりも、将来的にどんな柔術で勝てるようになりたい、誰々みたいなスタイルで勝ちたいといった目標があったほうがいいことはなんとなくわかりますよね?

私も以前は三角絞めで極めて勝つというスタイルを考えていました。その時に考えていたことはこちらの記事にまとめてあります。

三角絞めから逆算して考えたら柔術迷子を脱却して強くなった話
こんにちは、taikiです。 昨年末に紫帯を頂きました。 青帯になったのが2015年8月でしたので紫帯になるのに3年4ヶ月かかりました。これが早いのか遅いのかはどうでもいいのですが、確かに青帯になった頃よりは強くなった実感はあります...

今は、トップからパスガードして勝ちたいかな。

練習の鬼伝説はマネできない

練習は営業活動のようなもので、それ以外も必要という流れでここまで来ましたが、世の中には「毎日誰よりも早く来て、最後まで残って練習した」といった「練習の鬼伝説」がたくさんあります。

もちろん、それを否定するつもりはありません。しかし、仕事しながら趣味で柔術をやっている人達に同じものを求めても無理なことは言うまでもないでしょう。

没頭できる時間と体力がある若者だからこそ可能なわけで、社会的な生活を営んでいる大人がそれをやろうとしてはいけません。

時間捻出と体力の観点からどう頑張っても無理です。

身体か家庭か仕事のどれかが壊れますのでお気をつけください。

まとめ:身体を動かすだけが練習じゃない

ゴリゴリのブラック営業会社が「売ってくるまで帰ってくるな!」とパワハラで営業マンを追い込むような過酷な練習一辺倒では、短期的に結果は出ても中長期的には険しい道のりになりますし、持続可能性に疑義が持たれます。

営業(≒道場での練習)頼みになるのではなく、開発・企画と自分の柔術全体を統括する責任者の視点を持って練習に向き合いましょう。

それこそが真の練習であり、知的スポーツの知の部分であるはずです!

以上『道場での練習を「営業」に例えたらしっくり来た話』でした。

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