こんにちは、taikiです。
スパーリング終了後にクールダウンとして3分間ドリル練習をやっているけど、スパー中に出来なかったことを忘れる前に掘り下げることができてとっても良い。やはりドリルでやったことをスパーで出すのではなく、スパーで出せなかった技をドリルでやる方が効率が良い気がする。アウトプットドリブン。
— 三角絞め研究所 (@triangle_chk) February 14, 2021
1月に緊急事態宣言が出てからスパーリングなしでドリル中心の練習をやっていましたが、2月からスパーリングが一部のクラスで再開しました。
その一方で、1月のドリル練習の流れを受け継いで、スパーリング後に3分間のドリル時間が設定されるようになりました。
このスパーリングからのドリルタイムが練習の生産性の観点から非常にいいなぁと実感しています。
今回は練習の生産性について、取り上げてみたいと思います。
スパーリング後のドリルが生産性が高いと考えた理由
そもそも生産性とは何か
「柔術の練習効率があがった」「技の効率がいい」と言った感じで「効率」という言葉を使ったことがある方、いらっしゃると思います。
また、柔術に限らず普段の仕事でも「生産性をあげる」「生産効率をあげる」と上司や先輩から言われていたり、部下や後輩に言ったりすることありますよね?
「効率」や「生産性」とは何でしょうか。
生産性(せいさんせい)とは
経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。出所:Wikipedia
抽象的で何を言っているのかよくわかりませんね。具体的にはこんな数式で定義します。
要は、使った時間に対する成果が良いのか、悪いのかを測りましょうってことですね。
生産性を柔術に置き換えて考えてみる
これを柔術に置きかえて、こんな風に考えてみましょう。
成果の定義は人がどうなりたいかで変わってくると思いますが、今回は試合やスパーリングでの強さとしておきましょう。
「強さ」だと曖昧であるならば、「自分の思い描くような動きができる」ぐらいに考えると更にわかりやすいかもしれません。
その状態に達するためにどれぐらいの時間を使うかが生産性です。
同じ結果であっても1ヶ月の練習なのか、1年の練習なのかで意味合いが変わりますよね。
生産性を高めるという視点で練習方法について掘り下げてみましょう。
スパー後のドリルがなぜ生産性が高いのか
ここから本題。スパーリング終了後のドリルがなぜ生産性が高い思ったのか。
それは、スパーリングで思ったような動きができなかったことをドリルでやるようにしたからです。
スパーリング後のドリルは個人がやりたいことを自由にやる時間なのですが、私はスパーリング中に「あの時、こういう風に動いていれば違ったのかなぁ」と失敗したことを中心にやりました。
もちろん、スパーリングで起きたこととは別のことをドリルとして取り上げても問題ありません。
しかし、生産性を考えると目の前にある「スパーリングで思うようにできなかったこと」を直接ドリルで修正しにいく行為は、アウトプットに一番近いところでインプットをしているとも言えるでしょう。
欲しかった成果に対して必要な練習が直結しているわけですから生産性が高くなります。
ドリルをやるからスパーで技が出せるのか
クラスで習った技や普段ドリルをやっているけど、なかなかスパーリングで出せない技ってありませんか?
私も習った技がなかなか出せなくて、スパーリングとドリルって別物なのかなぁなんて思うこともありました。
今回、考えて思ったのは「ドリルをやっているからスパーで出せるのではなく、スパーで出せなかった技をドリルで練習するから出せるようになる」です。
どんなにベリンボロがやりたくてもデラも使わなければダブルガードになったこともない人は、いくらドリルでベリンボロを練習してもスパーリングではなかなか出せないでしょう。
新しい技を習ったとしても自分に親しみのない技は、どんなにドリルをしても簡単には出せないのです。
だからこそ逆の発想で、「よくなる状況」で出来なかったことをドリルでやり込めば練習の生産性は高くなります。
だが、クラスで習う技に意味がないわけじゃない
ここで誤解してほしくないのは、クラスで技を習うことが意味ないとは1ミリも言ってないということです。
特に経験が浅い白帯の方に、スパーリングでできなかった技を自分で思い出してドリルをやってくださいといってもなかなかできないでしょう。
ポジションとテクニックの全体感がない状態でやってもそれこそ生産性が悪い。
また、白帯から黒帯までを集めてクラスとして成立させる為には、誰しもが使えそうな最大公約数的なテクニックを取り上げる必要があります。
全員でベリンボロからのクラブライドをやっても厳しいのはなんとなくご理解いただけますよね?
逆に言えば、クラスで習った技を全部出来るようにならなきゃいけないわけじゃないし、使わない技も当然あるってことを理解した上で、上手にクラスで習う技を活用すればいいのではないでしょうか。
まとめ:何を練習すると練習の生産性がよくなるかを考えることも柔術!
仕事をしながら趣味として楽しんでいる柔術家は、練習に投下できる時間は特に限られています。
ガムシャラに練習するのもいいですが、競技者としての限りある時間を有効活用にするためにも、練習の生産性について考えてみてはいかがでしょうか。
生産性が高くなる練習メニューを考えることもきっと柔術の一部なのでしょう!
以上「ドリルでやった技がスパーリングで出せるようになる方法」でした。
おまけ
今回の話を深堀りしていくとこの本に書いてある「イシュー」と「犬の道」という概念にたどり着きます。
本来はそこまで踏み込んで取り上げたかったのですが、いきなりだと難しいので、触りの部分として生産性を取り上げてみました。
もう少し練った上でいつか記事にしたいと考えています。
有名な本ですので、興味を持った方は手にとってみてください。