こんにちは、taikiです。
今回は、日本を代表する柔術家の一人である芝本幸司選手に登場頂きます。
芝本選手といえば、ムンジアル最終日の常連で全日本選手権やアジア選手権で数多くの実績を残し、著書『ベリンボロ』も有名です。
そんな最前線で戦っている芝本選手ですが、実績がスゴいのは知っているけど実はどんな人か知らない方も多いと思います。
前編では柔術に対する考えや思想を中心に芝本選手らしく理路整然と語って頂きました。
お楽しみください!
芝本幸司選手 基本情報
名前:芝本 幸司(しばもと こうじ)
生年月日:1980年8月23日
体重:ルースター級
所属:トライフォース柔術アカデミー
SNS:Facebook
主な戦績(黒帯):
- 全日本選手権 優勝2012〜2019 日本ブラジリアン柔術連盟殿堂入り
- アジア選手権 優勝2012〜2015,2017〜2019
- ヨーロッパ選手権 優勝2012,2017
柔術が仕事になるまで
本日は、芝本選手にお越し頂き、柔術から食事のことまで幅広くお話を聞かせて頂ければと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
柔術を始めたのは社会人になってからなのですよね?
そうしたら、中学・高校の頃によく柔道の試合をしていた杉江アマゾン大輔選手が出てきて興味を持ちました。
その後、趣味ではじめた柔術が仕事になりましたが、何がキッカケで専業柔術家としてやっていこうとなったのですか?
声を掛けていただかなかったら今のように柔術を仕事にすることはなかったですね。
芝本選手の柔術脳!頭の中を覗いてみる
技術体系の整理
以前のMMA Planetのインタビュー記事で、「怪我で練習を休んでいた期間に自分の技術体系を整理した」と仰っていたのですが、“技術体系の整理”とは具体的にどのようなことをされたのでしょうか?
具体的には自分が使うテクニックを書き出していって、それが順序立つように並び替えます。最終的にその並びが円になって循環するようにします。
逆に書き出してみると足りないピースが見えてきます。それが他のポジションに繋げられるのであれば違う循環に入りますし、なければその対策を考えなくてはなりません。
私はまとめてブログのネタにしちゃいますよ、、、
その時点のベスト版なだけであって、すぐにアップデートされるし、後から見返しても「おおっ!」ってなることもないので。
技術体系の整理をまとめるとこんなプロセスです。
- 技を書き出す
- 順序立つように並び替える
- 足りないピースを探す
- 並びが循環したら完成
技の断捨離
技が多すぎるとこちらが混乱するので、デラ+アンダーフックで3つ、リバデラで3つといった感じで各ポジションごと3つ程度に絞り込みました。
2つだと相手に対応されてしまうし、4つだとこちらが混乱する。3つが覚えやすく相手も対応しづらいという3の法則ですね。
だから一番最初に出した『ベリンボロ』と現在使っているベリンボロはどこが違うかと言われたら、現在の方が不要なモノが削除されてシンプルになっています。
↓この本も2015年(5年前!)なんですね。
○○選手対策みたいな技は、単発になりがちです。
汎用性の高い技で対応出来た方が他の技にも繋がりますし、他の選手にも使える技でないと意味がありません。
メモを捨てちゃう話と技を削除する話に芝本さんの断捨離マインドが出ているような気がします。
私は自分がやることを分散させることによって相手の集中力を分散させて突破したいのです。
しかし、試合である程度結果が出せていたりします。
その理由は「技のつながり」が出来ているからなんだろうなぁと考えています。
技の削除についてまとめておきましょう。ポイントは4つ。
- あるポジションで技が多すぎる場合(3つまで)
- 単発の技(他の技と繋がらない技)
- 手順が多い技
- ○○選手にしか使わない技
柔術を大きく捉える
コンセプトとは一貫して何を狙っているか
芝本さんの仰るコンセプトとはどのような意味で使われているのでしょうか?
ベリンボロで言えば、ベリンボロを成功させることじゃなくて、ポジションを取ること。
ベリンボロが成功していなくてもポジションを取れたなら、コンセプトは達成されたことになります。
ベリンボロが綺麗に決まらなくて、バックが取れなかったとしても「失敗した」と思う必要はなくて、コンセプトが達成されたのかどうかを気にするべきなのです。
『サバイバー』のコンセプトはダブルガード状態からガードをかいくぐること
立ってパスガードをする概念を覆して、別のルート(≒上下が成立しているダブルガード状態)に打開する糸口を見出そうというのが狙いです。
↓『限界突破xモダン柔術サバイバー』のコンセプト
セミナーを通じて伝えたいこと
失敗あるあるを伝えてショートカットしてほしい
しかし、ダイジェスト動画を見ているととんでもない動きが多くて、ちょっと難しそうだなぁと感じる方が多いと思うのですが、実際の反響はどんな感じなのでしょうか。
↓この紹介動画を見るだけでもその異次元な雰囲気が伝わってきます。
技を見せるだけだったら動画を見れば十分なのですが、「このシーンではこういうことをやってよく失敗した」といったこともあわせて伝えられたら、学習過程もショートカットできますよね。
技のアレンジと最終形の話
自分がやりやすいように少しアレンジを加えて、得意になる。その得意な技もしばらくすると対策されるので、その度に見直して改良していきます。
そこで最初に戻って、先生はどうやっていたかなぁと見返したりすると「自分が改良に改良を重ねた技」と「先生が仰っていた技」が同じだったりすることがよくあります。
自分で経験し、発見することではじめて出来るようになるものと理解しました。
↓芝本選手最新作『限界突破xモダン柔術サバイバー』はこちら。
後編に続く。
まとめ:芝本選手の柔術脳は整理整頓・断捨離をしつつ、目的を見失わないこと
芝本選手の話を聞いているととにかく脳内が理路整然としていて、綺麗に整っているのが伝わってきます。
無駄なものはさっさと捨てて、常に必要なモノのアップデートを繰り返しつつ、目的を見失わない冷静さを持ち合わせていました。
また、絶対に逃げられない究極の技を作り込むことよりも相手の思考や集中力を分散させて技が掛かりやすい状況を作ることを重要視している点も納得ですね。
当初の狙い通り、トップ選手の脳内を覗き込めましたが、参考になる点が多かったのではないでしょうか。
後編では少しトーンを変えて、かつての週7ラーメン生活(!?)から現在の柔術を意識した食生活について聞いています。
お楽しみに!
以上「芝本幸司選手に聞いてみた!トップ選手の頭の中身を覗いてみた話」でした。
後編はこちら。
オマケ
早川先生との共作でもあるこちらの本もどうぞ。
デラフックすら作らずにベリンボロを超高速で決める「ベリンボロ無双」も必見です。
あわせて読んでほしい
過去に芝本選手について書いた記事も合わせて読んでみてください。
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