こんにちは、taikiです。
先日、カイオ・テハのセミナーに参加してきました。
既にSNSでもいろんな人が発信しているように大変勉強になるセミナーでした。
カイオ・テハセミナーに参加しましたが、自分の柔術がいかに雑で粗かったを痛感しました。世界王者はどんな精度で柔術をやっているのかを感じることが出来たのが一番の収穫だった気がする。
— 三角絞め研究所 (@triangle_chk) November 1, 2019
今回は、どう勉強になったかを自分なりに噛み砕いた内容を書きたいと思います。
虫の目、鳥の目、魚の目の話
本題に入る前に、皆さんは虫の目、鳥の目、魚の目の話はご存知でしょうか。
「物事は多面的・多角的な視点で捉えて考えましょう」みたいな話を聞いたことがある方は多いと思います。
この多面的・多角的な視点の1つが虫の目、鳥の目、魚の目の話です。
虫の目
虫のように小さな視点、ミクロの世界のことです。
柔術で例えるなら、グリップの持ち方がサムレスなのかサムアラウンドなのかだったり、
相手の道着の袖を掴む際に、袖口を掴むのか、肘のあたりを掴むのかといったディテールです。
鳥の目
鳥のように上から俯瞰して全体像をみる視点、マクロの世界のことです。
柔術で例えるなら、ベリンボロマップみたいなモノでしょう。技の全体像が見えていることです。
↑三角絞め研究所の代表的な鳥の目コンテンツ
魚の目
魚のように潮の流れを読むという視点、時代やトレンドを読むことです。
柔術で例えるなら、今、自分が有利なのか不利なのか、自分のターンになっているのかといった流れや戦局を読むことです。
三角絞め研究所に足りない視点は虫の目
三角絞め研究所では虫の目、鳥の目、魚の目で言えば、鳥の目と魚の目を意識した記事は比較的多いでしょう。
逆に虫の目の視点で書かれた記事は少ないです。
虫の目は、文字にすると長くなるし、読んでもらえなくなります。
そして悲しいことに私自身に欠けている部分でもあるので書けません。(要は柔術が粗い)
もちろん自分がよく使う技の些細なディテールは私にもあるのでしょう。しかし、自分がよくやらないポジションの他人のディテールは正直、聞いているのがツライです。どんなにアツく語られても興味ないことはツライ。
現にジョン・ダナハーだったり、メンデス兄弟といった理論派の教則動画を見ているとディテール部分の説明が異様に長くて毎回途中で力尽きてしまいます。
そんなこともあって虫の目コンテンツは、どんなに好きな柔術であって面白く見せるのは難しいのです。
カイオ・テハの虫の目が異次元だった
ここからが本題のカイオ・テハセミナーです。
いろんな気付きや学びがありましたが、大きな部分では2つありました。紹介しておきます。
虫の目コンテンツで飽きさせない進行
私が参加した日は、クローズドガードからの腕十字、オモプラッタ、三角絞めというこれだけを聞くとベーシックな内容ですが、進め方にカイオ・テハの思想が盛り込まれていました。
大まかな進め方
- カイオ・テハがテクニックを見せる
- ペアでやってみる
- カイオ・テハが「みんな出来てない、もう一回説明する」といって説明
- 出来ない人にやってもらってカイオが修正を加える
- 2に戻る
カイオ・テハの「出来ない人にやってもらってカイオが修正を加える」部分での修正が徹底していて、カイオ自らが掴んでいる道着の位置、足の置き場所、手首の角度といった点を1つずつ丁寧に修正していました。
些細な事もいい加減にさせない徹底ぶりで、カイオ・テハの見えている世界の解像度の高さに驚愕でした。
たぶん、これをカイオ・テハが1人で実演し続けていたら集中力がすぐに切れて飽きちゃったかもしれません。
インタラクティブにすることによって、技のディテールという虫の目コンテンツでも飽きさせなくしているのは見事だなぁと関心しました。
↑カイオ・テハといえばコレ
また、学習の定着率の観点からも一度にやらずにカイオが教えて、みんなやってみて、また教えて、やってみてを繰り返すことにより分散学習効果が効いてきますし、同じ技を違う人が実演して、違う箇所でミスを指摘されるのを見ると複数メソッドによる記憶の定着も効いてくるんだろうなぁと思いました。
虫の目の精度
また、ディテールの部分を修正しているのを見て、カイオ・テハが見えている世界の解像度がわかりました。
虫の目のレベル感で言えば、私がバッタとか昆虫ぐらいのサイズ感でミクロの世界を見ているとしたら、カイオ・テハは微生物ぐらいの視点でもっと細かいミクロの世界を見えているようでした。
数センチの差も私から見たら3%の誤差がカイオ・テハからは30%ぐらいの大きな差に見えるんでしょうね。
スタンドで例えるならスタープラチナの精度です。
↑精密な動きと言えばコレ。もはや人間じゃない。
カイオ・テハの名言「Technique conquers all」はそういったレベルの解像度があって初めて成立するものなんだと実感しました。
まとめ:世界王者の見えている世界を少しだけ覗けた
カイオテハさんのセミナーでした!
控えめに言ってすごく良かった!
テクニックを改めて考え直させられました!
明日の群馬も行きたいくらい。 pic.twitter.com/bruI6VHODl— OKN (@Yuki_bjj) November 1, 2019
今回のセミナーではクローズドガードでしたが、ハーフガードにはハーフガードのディテールがあの精度であり、トップにはトップでのディテールがあの精度であることを考えるととても気が遠くなりました。
また、クラスの中で私が気になったカイオ・テハの言葉に「柔術は簡単。難しくしているのは人間だ」と「力を使うな、リラックスしろ」というのがありました。
この言葉とセミナーの内容を私なりに解釈すると↓でした。
- 解像度が粗いと力に頼る柔術をやってしまい、それが極端な領域に行くとステロイドになる
- 逆に解像度を高めて知恵と技術に頼るとTechnique conquers allになる
私も虫の目コンテンツを面白く書ける力と解像度を高めた柔術を追求しようと思いました。
セミナーを企画してくれた皆様、ありがとうございました。
以上「カイオ・テハの見えている世界を少しだけ覗けたら驚愕した話」でした。
オマケ
私が参加した日の内容はこちらの大岡さんが詳しくメモを残してくれています。
カイオ・テハセミナー @Carpediem広尾のテクニック備忘録を書きました。tセミナーを受けた人以外には全く伝わらないメモですが公開してみます。| #note #ブラジリアン柔術 #カイオテハ https://t.co/j5ED5NUdt2
— 大岡寛典 (@oooka) November 2, 2019
柔術に役に立ちそうな記憶術の話です。