De La Riva66の情報量が多いからチャンク化して優先順位をつけた話

こんにちは、taikiです。

橋本知之選手のDVD「De La Riva 66」が何かと話題ですが、皆さんはもう見られましたでしょうか?

私はデラとベリンボロはよく使うので、技のバリエーションを増やしたいと思ったのと橋本選手のディテールの解説を聞きたいなぁと思って購入しました。

また橋本選手と言えば、三角絞め研究所にも2回も登場頂いたこともあり、(勝手に)親近感がめちゃくちゃあります。

そんな教則DVDを俺がレビューしないでどうする!?という訳で、今回はDe La Riva 66のレビューをしていきたいと思います。

膨大な情報を効率良く処理する

「De La Riva66」はDVD2枚組であり、再生時間も4時間を超え、情報量が膨大です。

これを最初からまともに見ていくと途中で挫折する可能性が高く、”デラヒーバのエントリーだけやたら詳しい”みたいな状況に陥る危険があります。

歴史の勉強で言えば、縄文時代だけなんだかやたら詳しいみたいな感じでしょうか。

そうならない為にも貴重な情報をわかりやすい形に処理してから実際に中身を見ていきましょう。

情報をチャンク化する

私は目次から見る派です。

最初から順番通りに見ていると途中で挫折しちゃうので、見たい技を絞って、そこから深く見て周辺を埋めていくように見ていきます。

その為にも目次からDVDの全体像を構造として捉えます。

こんな感じで捉えました。

情報のチャンク化というヤツですね。(「三角絞めマップで読み解き、記憶術で定着させる柔術学習法」でも解説しています。)

chunk チャンク
〔パンや肉などの〕大きい塊、ぶつ切り、厚切り
〔音声や画像ファイルなどの〕ひとまとまりのデータ。

細かく見ていくと、「ウェイターガードがデラヒーバ+アンダーの中に含まれているのはどうなんだ?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

このチャンク化は正しい・正しくないではなく、自分にとって理解しやすいことを重視してやるといいでしょう。

各チャンクごとの関係性を考える

チャンク化が出来たら、各チャンクを意味がありそうな関係性に紐づけていきます。

私の場合は、いつものマップですね。

情報のチャンクをマッピングすることこんな感じです。右側に行けば行くほど、自分が有利になっていきます。

DVDを一通り見て私が思ったのは、全体を通じてベースになるのはチャンク化したデラヒーバ郡とベリンボロ郡の技なんだろうなということです。

その理由として、ラッソーでもリバデラでも他のガードでもバックテイクに繋がる技はベリンボロ郡の技を経由することが多い。具体的には、ベリンボロ、クラブライド、ツイスターフック、レッグドラッグを使ってポジションを取ることが多いということです。

こんなイメージ↓

当然三角絞めだったり、フットロックだったりといった違う形のフィニッシュはありますが、ベースにある流れはこっちなのでしょう。

ベリンボロ郡を経由するのであれば、まずはデラからベリンボロ郡の技でキッチリとバックをとるという流れを抑えておくのが順番的には先かなぁと。
つまりマップでいうとココ。

その部分が出来ないのに「とりあえずウェイターガードやるか」だともったいない。

取り組む為の優先順位をつける

ということで、優先順位をつけるとこんな感じ。色が濃い部分が優先順位が高く、薄い部分(≒白)が低くなっています。

私の場合は、デラヒーバ、リバデラ、ベリンボロは練習でも試合でもよく使う技なので、当然この部分(特にクラブライド)は精度をあげたいので優先順位高めで見ていきます。そして、デラ+アンダーフックとラッソーはあまり出来ませんが、デラと連動すると面白いかなぁと思ったので、優先順位をやや高めにしておきます。

そして優先順位がやや低めになるのは、エントリーとデラ+オーバーフックとバックアタックでしょうか。理由としては、自然にデラは使えているのとバックからのアタックよりもまずはバックテイクの精度をあげたほうが勝率は上がりそうだからです。オーバーフックに関しては、普段ほとんど使わないから後回し。

そんな感じの優先順位でRe La Riva 66を攻略していきたいと思います。

橋本選手の脳内を覗いてみよう

「De La Riva66に対する向き合い方とか考え方はわかったけど、中身の方はどうだったんだ?」という方、もう暫くお待ち下さい。

中身に触れる前に、橋本選手がどんな風に物事を考えているかを理解しておいたほうが橋本選手のテクニックに触れる上ではいいでしょう。

まず、橋本選手がテクニックをどんな感じで脳内で整理しているかは、このツイートにヒントが隠されています。

手書きの図を見ていると橋本選手の脳内でも(本人が意識しているかどうかは別にして)情報のチャンク化を行っていることが伺えますね。

大まかな全体像をイメージした上で、「ウエイターガードならあの3つのテクニックかなぁ」みたいに主要なテクニックを絞り込んで本作品を作り込んでいったものと思われます。

また、橋本選手を読み解くヒントは、青木真也選手との対談の中にもあります。


出所:格闘ドカタ対談 青木vs橋本 後編

橋本選手の根本にあるものは技の理屈です。

それは動作一つ一つに対する「なぜ」であり、理由がすべて言語化されているのでしょう。

つまり橋本選手は脳内には技の流れが描かれていて、その接続やそれぞれのディテールに理屈がある訳です。たくさん練習しているから強いのではなく、たくさんの展開とそうなる理屈を知っているから強いのです。(もちろん、たくさん練習していることはわかっています)

なんとなくテクニック動画をなぞるよりは、このあたりの思想から理解した上で、De La Riv66に接したほうが得るものが大きそうな気がしてきましたよね。

追記:
橋本選手本人からコメントを頂きました。
どうやらあたっていたようです(笑)

De La Riva66レビュー

見る前に知っておきたいこと

本編の話に入る前に、作品の中でよく使われる「尻をめくる」という単語について、理解しておきましょう。

質問箱にドンピシャな質問と回答がありましたので、載せておきます。

私は、「尻をめくる」よりも「後転させる」の方がイメージしやすかったです。好みかな。

感想:見る前にどこを見るか決めてから見ると効果的な教則DVD

内容ですが、じっくり見たのは自分がやりたかったデラとベリンボロあたりだけで、実はまだ見れていません。(全体を一通り流すことはした。)

これを見て思ったのが、橋本選手のこだわりの理屈がキチンと言語化されているなぁということでしょうか。

技自体が斬新というよりも、「なぜ?」の部分をキッチリと言語化して説明している部分が新しい。逆に言えばキッチリ説明するのでその分、時間が長くなります。だからこそ、優先順位の高い部分から見ないと挫折してしまいます。

今、それほど欲していない技のディテールを聞かされるのは結構キツイです。逆に言えば、今、欲している技のディテールは注意深く聞いて、道場で試したりするでしょう。

本作品のレビューを一言でするならば「なんとなく本編見ると置き去りにされるけど、見る前にどこを見るか決めてから見ると効果的な教則DVD」でしょうか。

ただしそこまで冷たくないのはダイジェストのおかげ

ただ、そこまで冷たい作品でもないのは、ダイジェストがついていることです。

ダイジェストであればなんとなく見ていても十分です。気になった部分を掘り下げていけば、置き去りにされること無く、De La Riva66の深淵に入っていくことが出来ます。

実際に橋本選手も教則動画自体は、そのような見方をしているようです。

まとめ:教則動画を通じて橋本選手の脳内を覗けた気がする


De La Riva66の技やディテールの解説が自分の柔術に取り込めて、使いこなせるようになるには当然時間がかかります。見た瞬間に強くなれるDVDではありませんでした。

しかし、橋本選手の脳内にある技の流れと全体像やそこに至る理屈に触れられたのはとても面白く、勉強になりました。

橋本選手のエッセンスを自分の柔術に取り込んで、自分の柔術と理屈を構築するべく、DVDを見て、練習に励もうと思います。

オマケ:合わせて読んでほしい記事

橋本選手と青木選手の対談です。今回の記事で引用した部分の前後の文脈含めて読んでみてください。

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情報のチャンク化について触れています。

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