こんにちは、taikiです。
激安でプロテイン業界に革命を起こしているマイプロテインはご存知でしょうか?我が家のプロテインのストックが切れたので遂に私も試してみました。マイプロテインで購入してみて、なんでこんなに安いのかがとても気になったので考えてみました。
顧客としての購買経験、公開情報、ネットの怪しい情報をもとに安さの謎に迫ってみたいと思います。
まずは購買体験!マイプロテインを利用してみよう
値段
5kgで10,990円!!
キャンペーンとか考慮するともっと安くなりますね。
ちなみに国内の代表的なブランドDNSは、なんと1kgで7,020円!!
まさかの1kgあたり数千円の差があります。
様々な条件の違いはあると思いますが、ここまで差がつくと遇の音も出ません。
注:海外サイトですので値段は為替によって変化します。
ちなみに国内の最安プロテインで有名な風神と同水準の安さです。今回は最安勝負が主旨ではないのでこの議論はカットです。
配達速度
注文から配達完了までは海外通販ということもあり多少時間が掛かります。
9/13に注文して、9/23に到着しました。
10日後の到着となるとamazonのスピード感に慣れている身としては頼んだ事自体忘れてしまいます。プロテインの家庭内ストックが切れてから注文したのでは、プロテインを飲めない地獄のような10日間を過ごすことになります。当然、計画的に注文すれば問題ありません。
amazonのスピード感がおかしいことに気付きます。
味
私は甘味料があまり好きでないので、プレーン味しか買いません。
美味しく飲みたい時はジュース割、生フルーツ割で自分で調整します。この部分を受け入れると味で悩まなくなるので快適です。プレーン味万歳!
美味しく飲みたい人はこちらを参考にしましょう。
その他
一度注文するとキャンペーンメールが凄いです。毎日来ます。そして年がら年中セールをやっていますね。
もはやメールによる暴力です(笑)
公開情報で読解くマイプロテイン
まずはマイプロテインを運営している会社について抑えていきましょう。
会社概要
マイプロテインの親会社はHUT Groupというイギリスに本社のある2004年設立の会社です。
Wikipedia
HUT Group Webサイト
事業内容は、ざっくりとこんな感じです。
- Health部門:
- Beauty部門
- Fashion部門
- LIFESTYLE部門
- Marketplace部門
サプリメント、化粧品、食品、洋服を中心とした通販事業です。
わかりやすく例えると国境を超えた通販を行っているグローバルなDHCといったところでしょうか。
各サイトを見ると分かるのですが、サイトのバックエンドと商品を共通化していることは容易に推測できます。
この事業以外にもシステムを他社にも提供していて、HUT GroupのWebサイトによるとHONDAとかNintendoもお客さんのようです。
グループ会社全体の売上は750億円(501百万ポンド、150円換算)、EBITDAは75億円(50百万ポンド、150円換算)になります。
注1:EBITDAは営業利益に減価償却を足し戻した本業で稼ぎ出すおおよそのお金と考えてください。
注2:出所 Annual Report
凄まじい企業買収の歴史
これらサイトは丸ごと買収することによって、グループ企業として取り込んでいます。
2009年から8年間で12社買収しています。中の人は大忙しでしょうね。
買収した企業 | 時期 | 会社コメント |
---|---|---|
Zavvi | 2009 | The Hut Group's first acquisition was of Zavvi, an online entertainment business that had gone into Administration in 2008. |
IWOOT - I Want One of Those | 2010 | The Hut Group bought IWOOT (IWantOneOfThose.com) from Findel Group as well as Confetti, a wedding accessories retailer. |
Lookfantastic.com | 2010 | The Hut Group bought Lookfantastic group from the Crown family in November 2010. The business sells premium beauty skincare and haircare and operates beauty salons across the United Kingdom. |
Mankind Direct | 2010 | The Hut Group bought Mankind Direct weeks after purchasing Lookfantastic Group. Mankind is a male-focused online grooming retailer. At the time, it reported £5M annual sales. |
HQHair | 2011 | The Hut Group bought HQ Hair out of administration in 2011. |
Myprotein | 2011 | The Hut Group bought Myprotein in 2011 in its first Health-focused acquisition. The acquisition was also notable in its size, with the deal estimated at £60M at the time of the announcement. |
Coggles | 2013 | The Hut Group picked up luxury fashion retailer Coggles from Administration. Originally a predominantly physical retailer based in York, it is now operated solely online as part of The Hut Group's e-commerce platform. |
Preloved | 2014 | The Hut Group acquired online secondhand marketplace, Preloved from its founder Ian Buzer in 2004. The marketplace and community was started in 1998 and is one of the largest in the UK with over 6 million members. |
Skinstore | 2016 | The Hut Group acquired US and Australian Beauty Retailer, Skinstore, from Walgreens Boots Alliance in 2016. The retailer is one of the leading online-only beauty retailers in USA (Skinstore.com) and Australia (Skincarestore.com). |
IdealShape | 2016 | The Hut Group acquired IdealShape, a US-based dieting and nutrition brand based out of American Fork, Utah. The female-focused dieting brand complements The Hut Group's previous acquisition of ExanteDiet and Myprotein. |
Glossybox | 2017 | The Hut Group acquired the biggest European provider of beauty box subscription services, GLOSSYBOX, from fellow investment companies Rocket Internet and Kinnevik Online. |
ESPA | 2017 | The Hut Group acquired ESPA, which is based in the UK. ESPA has a presence in more than 700 spas in 60 countries. ESPA products are also are sold in retailers such as John Lewis (Department Store) and Harvey Nichols as well as top hotel chains including Ritz Carlton, Peninsula and One&Only. |
オーナーは誰?なんでこんなにお金があるの?
なぜこんなに買収出来るほど金があるのか。その謎は株主を見るとわかります。
この会社の代表的な株主は下記の通りです。
- KKR
- Balderton Capital
- BlackRock
- Sofina
出所:Wikipedia
基本的にどれも投資ファンドです。その中でもプライベート・エクイティ・ファンドと呼ばれる会社の価値を高めて転売するプロです。
プライベート・エクイティ・ファンド (Private Equity Fund) は、複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を事業会社や金融機関の未公開株を取得し、同時にその企業の経営に深く関与して「企業価値を高めた後に売却」することで高いIRR(内部収益率)を獲得することを目的とした投資ファンドである。
その中でも特に注目してほしいのはKKRです。KKRといえば知る人ぞ知る、投資ファンド界のボスです。日本語のWikipediaもあります。
KKRは超ガチ野郎で、柔術界で例えるならグレイシー一族です。
グレイシー一族が一族の看板を汚さないように本気で柔術に取り組むのと同じで、KKRも世界最強の投資ファンドの看板があるので、いい加減な仕事はしません。全力で取り組みます。
かつて2002年頃外資ファンドを”ハゲタカ”と称してメディアで話題になりましたが、アレの親分的存在です。この人達が本気で儲けようと豊富な資金力を背景に取り組んでいます。
※ 「株主にKKRがいるから安心」とは言ってませんからね。KKRはいろんな要素の中の一つに過ぎません。
勝手に考えたマイプロテインが安くなる仕組み
マイプロテイン及び親会社のHUT Groupは安く販売しても利益が出るような施策をこれでもかと実施しています。やっている事自体は非常にシンプルでビジネススクールの教科書に出てくるようなクラシックな戦略です。そのクラシックな戦略を物凄いスピードと資金量で愚直にやり続けるというなんとも真面目な会社に見えます。結果に貪欲なプロフェッショナル達の本気な経営が見え隠れします。
規模の経済
価格競争力をつける為にはとにかく規模です。規模を大きくすると工場に掛かる費用や本社機能といった何もしなくてもお金が出ていく「固定費」の効率が良くなります。
工場が何もしなくてもたくさん稼働しても年間1億円の固定費用がかかるとしたら、多くの量を生産した方が生産コストは下がりますよね?
格好良くビジネス用語を使うと規模の経済性ってやつです。
規模の経済性とは、事業規模が大きくなればなるほど、単位当たりのコストが小さくなり、競争上有利になるという効果。コストリーダーシップ戦略をとるリーダー企業にとっては特に重要なコスト低減の方法である。
出所:グロービス知見録
大量生産、大量販売によって1商品あたりの製造コストを下げるて利益を取るという姿勢を徹底しています。日本国内の市場をメインにプロテインを販売している国内の製造販売業者と全世界で国境を超えてプロテインを販売しているマイプロテインとでは、これぐらいスケールが違うのではないでしょうか。
ケンシロウが国内の製造販売業者だとしたらマイプロテインはデビルリバースです。(ケンシロウの方が強いというツッコミはなしでお願いします)
実際の売上データが両社ともわからないのでイメージでお許し下さい。
また、マイプロテイン以外にもマイビタミンというサプリメントのサイトもあり、こちらの製品も同じ工場で製造しているのでしょう。同じ工場で違うサイトの製品を一緒に作るので、当然工場の生産効率が上がります。
バイイングパワー/購買力強化
大量に商材を仕入れると調達価格がさがります。これをバイイングパワーと呼びます。広義の意味ではこれも規模の経済になるのでしょう。
たくさん買えば買うほど安くなるのは、日用品でもよく起こります。実際に、プロテインも1kg買うのと5kg買うのとでは1kgあたりの値段に大きく違いが出ますよね?
マイプロテインは、これを100万倍ぐらいの規模でやっています。
実際に、中国のアリババルートを使ってめちゃくちゃ安く仕入れているというタレコミを海外の掲示板で見つけました。ホントかどうかはわかりませんが、まぁそうでしょう。
The reason they are so cheap is because they purchase the protein and other supplements from mass manufacturers in China using Alibaba/Aliexpress. Purchasing from these suppliers is ultra cheap especially when you ship by boat it cuts your costs by more than half so then they take these powders and repackage them with a nice design to make it look fancy and all that and sell it on their page. I work with alibaba all the time because of my job so that’s why I know about this.
超訳:中国のアリババルートでめちゃくちゃ安く仕入れているから安い。それを見栄え良くパッケージして自社サイトで売っている。俺はアリババと仕事しているから知ってるんだぜ。
範囲の経済
マイプロテインはグループ会社にアパレルの通販会社がいたり、サプリメントの通販会社があったりと多種多様です。裏では商品やシステムを融通しあっているでしょう。これをカッコよくビジネス用語で言うと範囲の経済と言います。
範囲の経済とは?
範囲の経済とは、事業を多角化したり製品やサービスの多様化を通じて、そうでない場合よりシナジー効果で利益率が高まり、より経済的な事業運営が可能になること。
出所:日本M&Aセンター
わかりやすい例を上げると柔術着の通信販売をやっているブルテリアが教則DVDやTシャツといった異なる製品を増やして多様化することです。マイプロテインで言えば、トレーニングウェアも売ってますよね。マイプロテイン内でトレーニングウェアを売っても良いですし、他の部門でプロテインを売ってもOKです。
実際に、私はマイプロテインでジョガーパンツを買ってしまいましたw
パッケージデザインのコスト削減
マイプロテインの商品は、パッケージはめちゃくちゃシンプルで同じデザインです。文字が違うだけ。デザイナーでもなんでもない新卒の新入社員だって文字を入力するだけで新商品のパッケージが出来てしまうんですから、立派なコスト削減です。
とにかくデザインに金をかけずにシンプルで使いまわす。今後、どんなに新商品が投入されたとしても同じパッケージデザインでしょう。
ちなみに、同じ系列の会社が運営するマイビタミンですが、商品のデザインを見てください。マイプロテイン魂に近いものを感じませんか?無駄なデザイン料は全てカットです!
DNSもシンプルですが、マイプロテインよりはマッチョなモデルさんをパッケージに表示したりしてデザインにコストをかけているのが伺えます。
このデザインをマイプロテイン社内の会議で提案しようものなら、こんな議論が想定されます。
安さ(+品質)こそ正義なんだよぉ!
コスト競争力と経営の合理化こそが当社の強みなの。
今、この議論で時間無駄にしたの分かる?1回目だからいいけど、それにこだわるようだったら他の会社に行ってもらうかね。
いかにも合理化を突き詰めた欧米人の考える発想です。さすが外資系企業!
物流のコスト削減
物流コストも当然安くなるように工夫をしていることを感じ取れます。
とにかく遅い。
海外から送られてくるということもありますが、それでも10日は遅いですね。海外と言えども航空便を使えば2-3日で届きます。
船便と乗継の航空便を駆使して安くするような工夫をしているのでしょう。
amazonプライムとは真逆の発想です。
ダブルガードのモダン柔術合戦に付き合うのではなく、そんな時代だからこそキッチリパスガードを磨くといった志向ですね。
凄まじいメールとキャンペーン
一度頼むと分かるのですが、購入後はメール銃弾爆撃が行われます。しかも相手は疲れを知らずに精密機械のようにメール爆撃をし続けます。
というか、精密機械そのものかw
365日何かしら安くなっているようです。
さすがに爆撃が凄すぎたので設定を解除しました。
そんなにプロテインばっかり飲めねぇよw
異物(ネズミ)混入問題の真相
マイプロテインを語る上で、外してはいけないエピソードが異物混入事件です。
プロテインの中にネズミの死骸が入っていたという衝撃的なニュースがかつて流れたのを覚えていますでしょうか?
あのニュースを聞いて敬遠していましたが、どうやら購入した人の自宅で入りこんだようです。
詳しく知りたい方はこちらのまとめサイトをご参考にしてください。
マイプロテイン社も本気で調査して「絶対にない!」と言い切っています。このような風評被害に対して隠蔽しようとせずに真摯に真面目に取り組んでいる姿勢はとても好感が持てます。
この事件の本気の対応をみて信頼できると思いました。
まとめ:マイプロテインは真面目に経営している怪しくない会社と認定
いろいろと理由を上げましたが、読者の皆様にわかりやすく一言で説明すると「孫正義のような金を持ったガチ野郎がプロテイン業界に乗り込んで規格外の規模で本気で経営をやっている」です。
孫さんがYahoo BBを普及させた時の事を思い出してください。とにかく大量に顧客を集めるために必至で売りまくっていました。全国どこに行っても駅前でYahoo BBの勧誘をやっていました。多少ビジネスモデルは違えどあの勢いでマイプロテインを始めとするHUT Groupが経営されているように見えます。
一般的な知名度は低いのですが、投資ファンドの業界では有名なKKRが本気でスケールを出してグローバルなプロテインの販売会社を作ろうとしているわけです。
そして、いずれは誰かにこの企業を転売することになります。転売に耐えうるようなちゃんとした企業である必要もあるため、真面目な経営が行われているのでしょう。
というのが私の見立てです。
結論としては、怪しい安さではなく、安くするための施策を愚直に実行している企業経営のプロによる安さの実現です。
もちろん、既存のプロテインの製造販売業者が不真面目にやっていると言っている訳ではありません。皆さん、真面目に経営していると思います。UFC王者が柔術に本気で取り組んでムンジアル王者を目指しているといったところでしょうか。
なお、ここで述べた意見は、「私の購買体験」「公開情報」「ネットの怪しい情報」を積み上げた私の仮説に過ぎませんので、信じるかどうかは自分で考えて自分で判断してください。
私は買いますけど。
以上「なんか怪しい?激安マイプロテインの安さの謎に迫る!」でした。
研究所からは以上です。
注:
異物混入問題で炎上中ですが、安さを実現する構造はここで述べたとおりです。もちろん、何らかの問題はあったのでしょう。
「やっぱり怪しい安さだった!」「品質に問題ありじゃねぇか!!」と考える方もいらっしゃると思いますが、この記事を鵜呑みにせずに自分で考えて判断してくださいね。
信じる・信じないはあなたしだいです!
追記1
500円オフになるクーポンはこちら「YQ23-R1」です。ご活用ください。
アマゾンでもマイプロテインが買えるようになりました。アカウントを作るのがめんどくさい方はこちらからどうぞ。
追記2
マイプロテインの工場の様子の動画です。大きな工場のようですが、比較感がほしいので他のプロテイン工場の動画も見てみたいです。
知っている人いたら教えて下さい。情報お待ちしております。
追記3
マイプロテインのプロテインバーから虫が出てきたというツイートがあがっていました。
これが構造的な問題なのか、偶然なのか、マイプロテインから何かしらのアナウンスがあると思われます。
構造的な問題であるとするともっとクレームを訴えている人が大量にいる気もするので、ネズミ騒動と同じで出荷後に商品の中にはいっちゃった可能性が高いかなぁと思ったら、同じクレームを訴える人が出てきました。
⚠️【拡散希望】【グロ注意】⚠️
「マイプロテイン」のサイトで買ったプロテインバーから大量の虫が生きたまま出てきました。茶色の米粒くらいの虫と、その幼虫らしきもの、白いダニのようなものまで、、、本当にあり得ない。もし同じ商品を買ってる人がいたら、確認した方がいいと思います❗️ pic.twitter.com/qJZnvn3y99— tsutomu (@redfiel47990662) September 11, 2020
オフィシャルコメント
オフィシャルコメントによると今回の異物混入は輸送中に発生した事故とのことです。対策はするとは言え、しばらくはお菓子系はちょっと控えようかなぁと考えちゃいますね。
私は、お菓子系は控えつつ、プロテインとサプリはやっぱり買っちゃうかな。
皆さん、改めて言うまでもなく、このブログは公開情報と噂を元にいろいろと推測した記事です。
この記事を鵜呑みにして信じるのではなく、自己判断でお願いします!
再追記:
マイプロテインから問題解決の為の対策がリリースされました。
包装をプラスチックでシュリンクするタイプに変えて、サプライチェーン全体を見直して、冷蔵状態の輸送及び保管をするとのことです。
前回のリリースよりは具体的で誠意の感じられるリリースになったような気がしますね。
この対策を信じて購入するのも、様子を見るのも、信じないのも自己判断でお願いします!
コメント
[…] そこで、この安さについてこちらの記事を参考に考えてみることにしました。 […]
[…] ※「三角締め研究所」より引用 […]
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[…] ※「三角締め研究所」より引用 […]
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