こんにちは、taikiです。
今年もラスベガスで開催されたワールドマスターに参加してきました。
昨年は誰にも注目されずにヒッソリと出場した結果、偶然にも3位入賞しました。しかし、今年は逆で妙な周囲の期待感を感じて、自分でも優勝したいという変なプレッシャーを掛けてしまいました。今までの試合の中で一番ビビったかもしれません。そんなビビりな私が、緊張感やプレッシャーを克服する為にやったことをまとめておきます。試合に出て見たいけどビビって尻込みしている人や試合になると緊張して動けない人の何かヒントになれば幸いです。
緊張感やプレッシャーを激減させる心構え的なモノ
緊張感や不安な気持ちを激減させる話やノウハウ的なモノはたくさんあると思いますが、私が特に役に立ったと思うのはこの3つです。
青木真也選手の名言
緊張もプレッシャーも自分が作り出している物だから自分以上の物は来ないはずだと言う考えもあって逃げないようにしています。
出所:プレッシャーや緊張から逃げない技術
妙に納得感があります。
緊張感もプレッシャーも自分の中から発生するものであって、誰かに与えられるものではありません。自分が凄い人間なら凄まじいプレッシャーも生み出せるかもしれませんが、残念ながらしょせん人間なんて、例えアメリカ大統領であったとしても、ちっぽけな存在です。ちっぽけな自分が作り出す緊張感やプレッシャーなんてちっぽけなものに決まっています。もし、緊張感やプレッシャーを大きく感じてしまうのなら、それは自分が小さくなっているだけでしょう。
殆どの読者の皆様だって、青木選手を上回るような実績があるわけじゃないですよね?その青木選手がこう言ってるんだから、(格闘技的には)もっと小さな存在である私達がそんなにビビる必要はありません。
ピラティスの先生に教えてもらった鼻呼吸の話
ピラティスの先生に鼻呼吸と口呼吸の違いについて教えてもらった際に、鼻で呼吸したほうが空気が脳に近い部分を通ることになり、脳が冷却されて冷静になれるという話を聞きました。喉が乾きにくいとか呼吸が深くなるといった鼻呼吸のメリットは他にもあるのですが、冷静になれるのは最大のメリットでしょう。
一般的に「深呼吸して、落ち着け」的な事を言われますが、これは正確には「鼻で呼吸して脳を冷却しろ」なんじゃないでしょうか。
つまり、緊張感やプレッシャーを感じたら鼻呼吸をして、脳を冷やして落ち着きましょう。
チャレンジした時点で一歩先に進んでいる
別に負けたって死ぬわけでも、家族が殺されるわけでも、財産が没収されるわけでもありません。あるとしたら周りの視線を気にするという自分のちっぽけなプライドぐらいでしょう。そんなものは気にする必要はないし、負けたことについてとやかく言うような人は、自分でチャレンジしたこともない他人が作ったエンタメを消費するだけの傍観者でしかありません。テストステロン氏も力強く言っています。
一生懸命やった事がある人は他人の一生懸命を笑ったりしない。勝負に挑んだ事がある奴は敗者を笑ったりしない。笑われようと何言われようと「あの人は一生懸命やった事ないんだなぁ」「勝負した事ないんだなぁ」と同情してやるぐらいで丁度良い。人生なんて一生懸命になって勝負しまくってナンボじゃ。
— Testosterone (@badassceo) 2017年8月31日
試合当日緊張感をほぐすためにやること
試合前:身体を動かす
(ヒロユキさん、写真をおかりしました)
心と身体は連動しているようで、心が固まると身体も固まるようです。逆に身体をほぐすと心もほぐれます。緊張感やプレッシャーを感じている時は、身体を解してあげましょう。連動して心もほぐれます。少なくとも私はじっとしていてもろくな事がないのでウォーミングアップを早めにして心を落ち着かせる努力をしました。
今回の大会では昨年3位だったから今年こそはという勝手な願望と周りの期待を勝手に感じて、勝手に緊張してプレッシャーを感じていました。試合当日も凄く自分が緊張しているのがわかったため、このままじゃいかんと思い、試合開始の2時間半ぐらい前にマットスペースでストレッチをはじめました。そうしたら気分的にも落ち着いて冷静になることが出来ました。
そして、鼻で呼吸です。ピラティスでやる鼻呼吸とピラティスの動きをやっていると不思議なことに落ち着いて、リラックスしてきます。こんな所でもピラティスに助けられました。
ちなみに医学的な根拠は一切ありません。個人差があると思いますので、自分にとっての正解は各自で探してくださいね。
初戦:身体が固いのは当たり前。しかし脳は冷静に
初戦は誰もが固いと思います。確実に出せる技しか使えません。今回の試合でも特に初戦は確実な技しかできませんでした。
残り1:30ぐらいの所で三角絞めに入れることができたのですが、ここで相手の腕が流せずに逆方向に逃されてしまいました。
定石通りにいくとオモプラッタに切り替えるのですが、このオモプラッタに切り替えた際に身体をまたがれてパスガードされるのが恐くて、オモプラッタに行くことが出来ません。身体が動かないのです。
身体が動かないと考えた私は、残り時間とポイントを確認し(この時点でポイントもアドバンも0-0)、相手の実力(普通に強かったです)とこのまま三角の中に閉じ込めていれば判定でも勝てるだろうと考えて、無理して極めにいかずにそのままのポジションを選択し、確実に勝利を拾いに行きました。
こんな感じで、動かない身体を受け入れた上で、冷静に考えて試合をしたら勝てました。
2戦目以降:身体がほぐれるので冷静に楽しもう
初戦が勝てると気分的には物凄く楽になります。より頭を冷静にして、試合を楽しみましょう。
2回戦で戦った黒人の方はフィジカルがめちゃくちゃ強そうで、物凄い勢いで攻めてくるんだろうなぁと勝手に想定して臨みました。
予想通り最初のアタックと力の強さに驚きました。引き込み際にテイクダウンを取られ、その勢いで一気にアタックを仕掛けられました。アタックを凌ぎきってペースダウンしたスキに三角に入れることに成功し、腕が伸びてきたので、三角十字に切り替えて一本とることが出来ました。冷静に相手の姿勢を感じ取ってその状況にあった技を出せたおかげで勝てました。
その他の緊張感を減らす小技
チームメイトと会話する
試合前に音楽を聞いて入り込む人や1人でじっとするのがあっている人など様々なタイプがいらっしゃいます。私は試合当日は1人でじっとしているとろくな事がありません。今回も試合時間が16時頃だったのですが、部屋で1人でいても落ち着かないので早めに会場入りしました。
会場でも1人でじっとしていても緊張するだけなので、道場の練習仲間や日本から遠征してきている他の道場の選手達と話して、緊張感を紛れさせました。私のように1人でじっとしない方が緊張がほぐれるタイプの人は、周りの人を積極的に活用しましょう。じっとしていると恐怖感がどんどんデカくなっていきますよ。
会場で知人を探す
今回は2回目のワールドマスターということもあり、昨年試合した人が今年は出場しているかを事前にチェックして会場に臨みました。去年試合した5名(うち3名は今年もエントリーしていた)のうちの2名を試合会場で発見し、声を掛けました。お互いの再会を喜び、会話をしていると海外であってもアウェイ感が薄れていくのを感じました。地獄で仏というのはまさにこれなんじゃないでしょうかね。
直接知らなくても、同じチームメイトが戦った相手でも構いません。知っている顔を見つけて、思い切って声を掛けてみましょう。柔術という最強の共通言語があるのですから、言葉の壁は気にせず突っ込みましょう!
まとめ:自分が作り出す緊張感は自分でなんとか出来る!
偉そうなことを書いてしまいましたが、私も緊張します。だいぶ試合慣れはしていると思いますが、それでも大会や状況によっては緊張しますし、緊張感がゼロになることはありません。逆に緊張感がゼロになってしまったらそれはそれでつまらないはずなので、引退する時かもしれません。
人によって緊張感の抑え方や付き合い方は異なると思いますが、自分なりの方法を見つけて上手に緊張感やプレッシャーと付き合いましょう。
以上、「ブラジリアン柔術の試合前に緊張感やプレッシャーを克服するためにやったこと」でした。
コメント